税理士松尾ブログ
税制を切り口としたアメリカ大統領選挙
2024-08-27
減税を政策の中心に据える、ということで、
どのようにそれを実現しようとしているのか?
と興味を持っていた、トランプ大統領候補の政策。
お盆休みをいただいていたこともあり、トランプ元大統領の共和党候補者の受託演説の映像を、遅ればせながら見ました。
(7月19日実施)
『トランプ氏 共和党大統領候補指名受託演説』 ──(日テレNEWS LIVE)
同時通訳だけが頼りですが、全体的な流れは下記のようなものと思います。
喫緊の解決すべき課題として、
・インフレ
・不法移民
の2点を据える。
それら課題の解決法として、
後者の「不法移民」については、国境の壁を完成させることで解決を図る。
そして前者の「インフレ」については、その原因を
・戦争
・資源高
・国内投資の促進
に求める。
戦争については外交により停戦を実現し、
資源高については国内での資源掘削を進めることで落ち着かせ、
最後の国内投資促進の部分で、関税の引き上げとともに減税の話が出てきます。
この演説で具体的な減税策を説明している訳ではないですが、演説において主に念頭に置かれていると思われるのが、単純な税率引き下げではなく、
主には過去にもブログで取り上げた「リパトリ減税」となります。
参考:円安は是正されるか?
アメリカから見ての国外関連会社に留保される利益へ課税するが、
もし本国へ資金を還流させるのであれば優遇税率を適用することとし、
本国への資金還流を促し、
本国での雇用や投資の増大を促すという策となります。
単純に考えると還流を促せばインフレ要因となってしまいますが、戦争抑止や資源採掘もセットで考えているのだと思います。
そして、トランプさんの演説を見たからには、、、ということで対するハリスさんの方も気になっていたところ、経済政策がようやく公表されたとのこと。
両陣営、共通しているのは「インフレ」にスポットを当てているところです。
やはり、アメリカの物価上昇率は落ち着いてきているとはいえ、実生活においては相当の負担増になっているものと推察されます。
で、ハリスさんの経済政策におけるインフレ対策として、トランプ陣営は
・戦争停止
・資源採掘
・減税
でもって対処しようとしているのでは?と書かせて頂きましたが、
上記の新聞記事によると、ハリスさん陣営は見事といえるほどに対照的で、実生活を圧迫している物価そのものを直接的に抑えようと考えているように思えます。
本来は企業の裁量にゆだねられるべきはずの価格決定について、政策的に食料品の価格を抑制するなんて具体的にどうするんだろう?と素朴に疑問に思いますが、
いずれにせよ、
・企業へは規制強化
・一方で生活者への支援を重点的に
といったところでしょうか。
個人的には、国際社会を巻き込む戦争が2つ同時に起こり、しかも長期化しているという異常事態をまず回復させたうえで、企業に対しての税負担を最小限に設定したらインフレはどうなるのか?を見てみたい気がしています。
2024年は各国で重要な選挙が相次ぐ選挙イヤーだと言われてきましたが、結局のところ日本への影響も甚大なのは年末のアメリカ大統領選挙だと思われます。
日本においても「これからはインフレ」という認識が徐々に広がりつつありますが、その意味で、両陣営のインフレへの取り組み方もまた、注目していきたいと考えております。
収穫がひと段落し、
2週間ほど畑に出なかっただけで一面の夏草(ただの雑草)。
草刈り機で1時間格闘。
まだ終わらん。
でもいったん帰って休憩してたらそのまま大リーグ中継に見入ってしまう、、、日曜日。
失敗の本質
2024-08-07
今年から新たに入社してくれている若手社員には月に一冊、私の独断と偏見で今まで印象深かったビジネス書を課題図書としてお渡しするようにしています。
来週からもまた新たに2人の若者が来てくれますが、最初はちょっと戸惑うことでしょうけれど、こちらもめげずに継続していきます(笑)
これまでお渡しした書籍には、稲盛和夫さんの書籍や、奈良市立一条高校の校長だった藤原和博さんの書籍、福沢諭吉さんの学問のススメなどジャンルは様々です。
今後、課題図書とするかもしれない書籍リストの中に、経営学者の野中郁次郎氏の名著である「失敗の本質」という書籍があります。
そこでは、旧日本軍の分析を企業経営に投影する試みがなされています。
「失敗の本質」の中で旧日本軍の失敗の本質は「環境に適応しすぎた」ことにあると結論づけられています。
企業は環境適応業と言われることを考えると、逆説的な結論です。
旧日本軍の場合、特定の戦略を突き詰めすぎて自己否定ができず、また、自己否定ができる仕組みも構築できず、パラダイム、つまりはそもそもの「ものの見方」を変えることが出来なかった、という分析になります。
コロナ禍による行動制限が解かれたこともあり、ここ最近は起業される方も多くなっていますが、起業後、月々で試算表が出るようになると、弊社のチャート式試算表にある「損益計算書の原則」の話題になります。
そこでは、利益獲得の順序として
1,固定費
2,変動費
3,客数増
4,単価増
の順で検証していきましょう、と記載しています。
起業間もなくてもそうでなくても、自己否定と原理原則を忘れることなく経営にあたらねばなりません。
特に固定費については、「パーキンソンの法則」というものがあります。
これは、もともとはイギリスの政治学者が行政機構を研究する中で見出した法則のようですが、人や企業に置き換えることもできると思っています。
【支出は収入に達するまで膨張する】
人でいうなら、収入が増えれば増えるほど生活費の水準もまた上がってしまう。
企業に置き換えるなら、売上が増えるにつれて原価(仕入・外注・運送費用など)が上がるのはある程度やむを得ないものの、交際費や消耗品などそれ以外の固定費も上がってしまう、といったところかと思います。
コロナ禍のような不況期は当然として、
・コロナ禍が明けても収入が思いのほか戻らない
・集中的な投資がひと段落した
・売上が順調に伸びつつある、、、等
どんな場合であっても、今、原点に戻って固定費の見直しに着手されるケースが多々あります。
収入が増えるにつれて費用も増えるのであれば、収入を増やすのではなく資産を増やさねばなりません。
設備、人材など収入を増やす資産を増やし続ける意識が重要となります。
内部的には、決裁権(その経費を払っていいか)と予算化の両輪により、パーキンソンの法則などはね返していきたいところです。
真夏の夕方6時半。
西日が照らす三輪山と散歩中の私。
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