税理士松尾ブログ

どんぶり勘定とは?
2024-12-27
テーマ:税理士@松尾
ここ数年の人手不足は業種を問わず地方の中小企業全体を覆う問題ですが、そんな中でもリファラルと言いますか、要は関係性の深い知り合いツテでの採用には比較的成功事例が多いように感じています。
そんな中、「労働市場の未来推計2035」というレポートがあり、目を通しました。
結論からすると2035年の人手不足感は2023年の「1.85倍」になるというもの。
しかし就労者の「数」は今よりも増加するとのことで、これは定年再雇用や働く女性、副業をする人の増加による短時間での就労者数が増加し、一人あたりの労働時間が減少していくことを意味します。
対応策としては、そういった潜在的な労働力(ショートワーカー等)を活かすことと提言されていますが、その他に挙げられているのが
・教育訓練(現状、従業員一人あたりOff-JT費用年間1.5万円を2.5万円に)
・テクノロジー(生成AI)
の2点となります。
冒頭の1.85倍という数値はともかく、対応策としてはおおむね想定の範囲内という気がしますが、ショートワーカーが増えて就労者数は伸びるということは、
企業の管理手法としては、たとえば収益性であれば、
「一人あたり粗利益」
から、
「時間当たり粗利益」
に移っていくように思われ、実際に弊社でも3年ほど前から生産性の管理指標は「時間あたり」にしています。
そういった就労者の数が増える流れを考えると、個人的には、そうであれば定年に関してはむしろ前倒しすべきなのでは?と思料するところですが、ともかく、外注から社員へ、という流れは中小企業でも強く、結果として社員教育や理念教育といった経営の根幹もまた、見直されているケースが多くなっています。
いまさらですが私は税理士であり税務の専門家であるのですが、
実務においては、税務の手前に、会計や資金繰りといった財務の世界があります。
賃上げや人手不足、社保の適用拡大といった固定費の上昇圧力がかかる中で、その財務の重要性は今後ますます重要となります。
むかしからどんぶり勘定という言葉はありますが、今後は、そのことばの定義を、
・定期的に棚卸を帳簿に反映していない
・売上を要素別に把握していない
・変動費と固定費、さらには固定費を管理可能経費と管理不能経費に分けて考えていない
という具合にすこし昇華させる必要があるように思われ、その上で、先行き管理をともにしていければと考えています。
年末にかけて、
・令和6年度の補正予算の成立
・令和7年税制改正大綱の公表
がありました。
補正予算では、中小企業実務に密接に関係する「生産性革命推進事業」の延長の文言が見られます。
「ものづくり」「持続化」「IT導入」「事業承継」の各種補助金を指します。
また事務局のホームページが今回の補正予算バージョンに近々更新され、公募要領が公開される運びとなるかと思います。
税制改正については、103万の壁議論が話題を独占しておりますが、こちらも実務に大きく影響する、
・中小企業者に対する法人税率の軽減(本則19%のところ、15%に)
・設備投資の即時償却が可能な経営強化税制
がそれぞれ2年延長され安堵しております。
しかし、隠れた増税も多く、いわゆる55年体制以降はじめての少数与党になったとはいえ、防衛増税についてはR8.4.1以降の開始事業年度から「法人税の500万円を超える部分」について4%が課税されることとなり、また、idecoの出口(受け取り時の)課税が強化されるなど、頑なな姿勢に唖然とするばかりです。
挙句の果てには「法人税率の引き下げを中心としたこれまでの法人税改革は意図した成果を上げて来なかった」と明記されるに至っており、法人税率そのものも長期的には引き上げの方向となりそうです。
税制改正については年明けにセミナーを企画しておりますので改めてご案内申し上げる予定ですが、私自身も中小企業の経営者の一人としてもう一度、組織の目的とミッションを見つめなおし、来年7月からの事業計画を練っていこうと思っています。
ドラッガーいわく、事業の定義づけをしたとしてもせいぜい10年が限度、とのことですので。
12月。合間を縫って、ライフワークの「お正月&しめ縄づくり講座」を地元の小学校にて開催してきました。
今年で5年目、新聞社さんも取り上げて頂き、感謝。
お正月クイズでは元気いっぱい。
お正月は何日まで?
・1月1日?
・1月15日?
・1月31日?
っていう感じのクイズを何問か。
その後はしめ縄づくりに奮闘!
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