税理士松尾ブログ

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数字を経営に活かす3ステップ

2024-06-17

テーマ:税理士@松尾経営を守る情報

 

3月決算5月申告のお客様の申告業務が終わってひと段落となる6月。

 

弊社6月決算につき、たいていは弊社の経営計画書を仕上げる1か月となります。

計画書データと毎日毎日にらめっこして6月を過ごします。

 

本当に本当に有難いことに、過去10年間で200社を超えるお客様と新たに顧問契約を頂戴しておりますが、今期の1年間は、その中でも一番多くの契約を頂戴した年度でもありました。

そのすべてがいわゆる「紹介」で、「事業承継を契機に」もしくは「月次決算プラスご提案を」というケースがほとんどになります。

 



 

事業承継に関しては、税制改正にとって毎年末の税制改正大綱と同様に重要な位置づけとなる「骨太の方針」において、下記のような報道がありました。

事業承継の税優遇、要件緩和へ 後継者の選任25年以降も

 

要件を満たせば贈与税負担がゼロで株の移転ができる新事業承継税制ですが、その要件が緩和される方向で検討されているとのこと。

 

ただ、内容はと言うと、株の贈与を受ける人が贈与を受ける時点で3年以上役員である必要がありますが、その要件を緩和する方向。

とのことですので実務的にはほとんど影響がないと感じます。

 

やはり問題は「この制度を使うかどうか」にあり、今一度、この税制の大枠と主なメリットデメリットを抜粋すると下記の通りとなります。

 

<概要>

・R8.3.31までに特例承継計画(A42枚のシンプルなもの)を提出

・R9.12.31までに贈与を実行

・他の要件を満たせば贈与税の全額が猶予

 

<メリット>

・贈与税負担なしで株の移転が可能

(後継者が確定しており、株価が高い、又は時間の余裕がない場合に特に有効)

・税務上の株価を贈与時点の価値に固定できる

 

<デメリット>

・猶予の取消要件に該当すれば延滞税とともに本税を負担する必要がある

・贈与後、相続が発生した時点で、納税か猶予の延長かの選択を迫られる

・贈与後、相続が発生した時点で、株も含めて相続税を再計算するため、事業に関係のない相続人の相続税率に影響する

 

制度の創設以来、何度かの改正が加えられていますが、贈与の期限である「R9.12.31」という日付が改正の検討課題に上がったことはありません

 

弊社も、「贈与税の納税猶予は積極活用」という基本方針であり、承継のスキームを考える際には必ずといってもいいほど選択肢に上がります。

 

事業承継は百社百様。

 

贈与の実行期限まで残り3年半という中で、改正の動向もにらみつつ、引き続き、実情に合わせた承継方法を共に探っていければと考えております。

 



 

月次決算に関しても、現在は会計ソフトが非常に優秀ですし、毎月早めに試算表が欲しい!というトップの指示があれば、月次で試算表をタイムリーに出せる態勢にすることは十分に可能です。

 

ただ、試算表が早めに上がってきたとして、次のステップとしてそれが使えるかどうか?ということになると、大きなポイントは「在庫」を月々でどう把握するか、という点になります。

 

税務調査において「在庫」の確認は必ずなされます。

順番としては、まずは「売上にもれがないか?」というところからですが、その次は決まって「在庫」の確認に移ります。

 

なぜか?

 

会社にとって一番大きな費用は?と考えた場合、「人件費」、ではなく、「原価(仕入、外注)」が一番金額が大きな費用である、というケースが多いと思われます。

 

その原価は、

1,期首の棚卸資産(在庫)

プラス

2,その期の仕入、外注などの原価

マイナス

3,期末の棚卸資産(在庫)

で計算されます。

 

「1」は前期のものですし、「2」がもれることはまずない、となれば、一番大きな費用である原価は「3」の期末の棚卸資産(在庫)によって確定されることとなり、当然に大きな着眼点となります。

在庫とは期末に残っている商品というイメージもありますが、「計上されていない売上に対応する原価」という意味合いもあります。

 

税務調査の側面はさておき、期末なり各月末の在庫によって原価が確定するということは、いまの粗利益の率も確定することとなり、経営管理上も重要です。

 

黒字を継続できている企業に共通する事象として、決算の先行き管理を行うことができている、という点があります。

 

建設業にせよ販売業にせよ、月次報告を出来るだけ早く実現するために期中においては概算の粗利益率にて業績を把握しつつ、やはり半期や第三四半期には実際の在庫による粗利益率で業績を把握することが重要です。

 

在庫の額がある程度把握できれば、今度はその実額を踏まえ、

・いまの資金調達の方法が適切かどうかを判別できる

・必要売上高も計算できる

・確度の高い予算も作成できる

といったように、在庫把握の一点から経営課題を多岐に検証できる体制へとつながります

 

ステップ1:試算表がタイムリーに上がる(経営状態が分かるようになる)

ステップ2:在庫把握の一点から、様々な分析や判断が出来る(数字を使えるようになる)

ステップ3:決算先行き、資金繰り先行きが把握可能、さらに「予算」に魂が入る(経営を見通せるようになる)

 

という3段階で、地域の中小企業の皆様に伴走していきたいと思います。

 



 

地元の小学生向けに、毎年末には「お正月講座&しめ縄づくり体験」を開催しています。

年末の講座用の稲わらを今年は自分たちの手で植えてみよう、ということで、友人たちとやって参りました。

 

 

 

 

いや~、重労働。昔の人はすごい。

しめ縄専用にと考えていますので、お米の種類は「もち米」です。

さて、無事に講座に使えるか?ハラハラながらもワクワクです。

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期限間近。コロナ特別貸付。

2024-05-07

テーマ:セミナー報告税理士@松尾

 

 

業種を問わずまだまだ厳しい経営環境が続き、社員ともども、月次決算をもとにお客様の資金繰り予想表をつくって打ち合わせを重ねる日々が続きます。

 

そんな中、コロナ関連の特別貸付の取り扱いが3ヵ月延長され、6月末までとなっています。

 

日本政策金融公庫さんの「新型コロナウィルス感染症特別貸付」の場合、

 

・最近1か月の売上または過去6か月の平均売上が

・前6年のいずれかの年の同期と比べて

・5%以上減少している

 

という要件を満たせば、災害関連の基準利率(1.25%~2.35%)から0.5%優遇した金利、運転資金で最長20年(据置最大5年)という非常に有利な条件になっています。

 

制度融資の全体的な流れとして、

・創業融資

・新型コロナ対策は資本性劣後ローン

に注力する流れがありますので、恐らくは、この「新型コロナウィルス感染症特別貸付」が再延長される可能性は低いのではないかと思われます。

 

奈良県の場合は無利息とはいえ、コロナ禍での借入の返済額ほどに利益計上が追い付いていないケースがまだまだ多くありますので、借換えにてこの特別貸付を活用する選択肢もあると思います。

 

 

弊社奈良オフィス、政策公庫さんと同じフロアにありますので、お客様、弊社担当、政策公庫の弊社担当者とともに、決算書をもとに個別相談の機会を設定して対応していきます。

 

 



 

また先日は、奈良新聞さん主催の経営承継セミナーに専門家要因として登壇して参りました。

 

事業承継における贈与や相続のポイントを専門家が解説 – 奈良新聞社「経営承継セミナー」

 

その前段、近畿経済産業局さんから「これからの経営に活かせる施策」のご案内があり、私も勉強として聞いておりました。

 

やはり、今年度の目玉は「省力化投資補助金」だそうで、事務局ホームページに、製品カテゴリ別にこれから製品が登録され、6月を目途に申請受付が開始される予定のようです。

 

他は生産性革命事業に係る補助金として、従前からの「ものづくり」「IT導入」「小規模企業持続化」「事業承継」の4種類が準備をされています。

 

そのほか、ぜひ使って欲しい、ということで挙げられていたのが省エネ補助金

何種類かのコースがあり、その中でも「設備単位型」が比較的使いやすい模様です。

 

補助率は1/3ですが、エネルギー効率の良くない空調や冷蔵設備などを使用中の場合には活用検討の余地があるかもしれません。

 



 

また、経済産業省ではなく総務省管轄の「ローカル10,000プロジェクト」に係る補助金も公募要領が公開されています。

 

各市町村と共同して申請するものですが、地域課題の解決に資する事業であれば、建物も補助対象であり、かつ最大5,000万まで補助ということで非常に大きな効果が見込まれます。

 

ただ、市町村が補助金を支出し、その支出を国庫が市町村の補助、という流れとなるため、市町村によっては予算措置との兼ね合いも出てきそうで、お考えの新規事業がある際は、まずは市町村窓口への問い合わせが必要かと思われます。

 

 

 

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確定申告。知らんまにお水取りも春も始まっとるやないか、というお決まりの風景

2024-03-18

テーマ:セミナー報告税理士@松尾

 

個人の方の確定申告が終わりました。

弊社においては過去最多の申告件数、、、。

 

なかなか大変でしたが、私の管理能力の低さとはウラハラに、現場ではサポートをし合って3/13の段階で、ほぼメドがついていたように思います。感謝。

 

そんな確定申告期間中、「法人税が安い」ことを特徴に、外からの投資を集めてきた国がその方針を転換させる表明をしました。

 

【シンガポール】グローバルミニマム課税、25年1月から導入

 

シンガポールは、法人税率は原則こそ17%と極端に低い水準ではありませんが、金融や石油製品など一定の業種に関わる会社については5~10%の税率を適用したりと、低い法人税率で世界中から資金や人を集めてきており、コロナ前は弊社でも視察ツアーを組んだりもしていました。

 

しかし、2025年から始まるグローバルミニマム課税(税率の最低限度を各国統一して課税する)という世界的な潮流にいち早く対応する表明をしたことになります。

 

今まで5%の税率で済んできた会社にとってはいきなり法人税が3倍超になり、シンガポールに会社を置いておく意義そのものが問われることになります。

 

法人税は、今年の税制改正の内容を鑑みても、特定した分野に限定して税制の後押しをする、という色合いが濃く、グローバルミニマム課税という世界的な潮流もありますので、今後、日本でも優遇的な措置は狭められる傾向が強まるものと考えています。

 

したがって、個人においても会社においても、税引前利益そのものを大きくすることの重要性がますます高まります

 



 

そんな背景もあって、先日は資産防衛セミナーという動画をお客様向けに配信しました。

 

 

 

対談形式で、私の大学時代の同級生で、三菱UFJモルガンスタンレー証券を経て今は独立系のファイナンシャルアドバイザーの玉木さんをお迎えしました。

 

そして、企画の際には何かとお世話になっているフリーアナウンサーの清水健さんの名司会。

 

 

今回は概要編で、株価と金利の関係や、ベンチマークの指標を話題に取り上げました。

 

新NISAのスタートやインフレ傾向の環境もあいまって、

・投資の選択肢を増やす

・自分なりのシンプルな投資ルールをつくる

ことを目的として今後もテーマを設定して配信していきたいと考えています。

 

 



 

また、セミナーといえば、

 

4月13日、

 

・経済産業省 近畿経済産業局産業部 中小企業課長さま

・奈良県事業承継引継ぎ支援センターの統括責任者さま

 

とともにセミナーをさせて頂きます。

 

 

年度替わりの4月ですので、

 

・公(おおやけ)によるさまざまな施策

・引継ぎ支援センターさんへの相談事例

 

などを把握する機会として頂ければと思います。(こちらは奈良新聞さんの主催ですのでどなたでもお申込みできます。)

 

私からは、中小企業の事業承継において、譲る側・受け継ぐ側それぞれで実務上気を付けて頂きたいポイント、可能な限りでの事例紹介をさせて頂ければと考えております。

 

お申込みフォーム(主催の奈良新聞さんのページへ)

 



 

確定申告シーズン、知らんまにお水取りが始まって、春も始まっとるやないか、というお決まりの風景。

 

 

3月16日の朝。日本最古の道、山の辺の道にて。

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背景や理念に沿ったサポートを本年も。

2024-01-15

テーマ:税理士@松尾

 

新年から大変なニュースが続きました。
被災地の方々には一日も早く元の日常が戻りますこと、慎んで祈念申し上げます。

 

昨年末に税制改正が公表されましたが、既存措置の延長が目立ち、法人税の減税メニューも大企業・中堅企業向けのものが多い結果となりました。

ただそれでも、個人所得税の定額減税を除くと、全体に占める法人税の減税額は大きく、裏を返せば、いつ法人税の増税機運が高まってもおかしくない状況といえます。

 

企業側としては、キャッシュの社外流出を伴う節税策に依らず、投資と回収、そして運用でもって利益そのものを大きくすることで税引き後利益も大きくする必要性が増してきます。

 

 

「人は石垣。人は城。」というように、人への「投資」については今回の税制改正においてさらに減税措置が拡充されています。

また、手元資金を、損金性の有無に関わらず「運用」に回す選択肢も重要となりますので、「資産の防衛」をテーマにして業者間連携も広げ、分かりやすくかつ原理原則に基づいた情報発信をして参ります。

 

 

年末にテレビで流れていた、大泉洋さんの「さあ年末です。プライムビデオです。」のCMからヒントを得て、長編小説を読もうと思い立ち、「村上海賊の娘」を読みました。

(素直に「そうだ、アマプラを見よう」とならないのが私の性格が多少?ひねくれている証でもあります。)

そこでは、「臆病者の決断はいつも遅い。だが、その一度の決断は揺るぎなく、もっとも大胆に立ち現れる。」という村上景親の姿勢が印象に残りました

 

政治の世界では醜聞が絶えないうえ、物価高や資源制約が続く中ではありますが、地方の経済を雇用の面から支えているのは中小企業であることに疑う余地はありません。

 

私たちとしては地域経済を担う多くの企業さまと接点をもつ事業者として、実務上出会う様々な「決断」に、その背景や理念に沿ったサポートを実現できるよう、精進して参ります。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

前日はお酒の席。

春と見まがう景色を見ながら、駅前においたままの車を翌朝に歩いて取りに行くの巻。

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本年も有難うございました。

2023-12-29

テーマ:まつおの畑作日記税理士@松尾

 

今年も有難うございました。

 

先日、OECDから世界経済の長期展望が公表され、

 

・先進国と主要新興国のトレンド成長率がコロナ禍前の3%から2060年までに1.7%に徐々に鈍化

・G20新興国は4.5%から2%とより大きな減速

・クリーンエネルギーへの転換を加速させることが経済活動をさらに圧迫する可能性

・多くの国で高齢化により労働人口が減少

・30年代終盤にはインドの世界経済成長への寄与度が中国を上回る

・中国は予測期間を通じて最大の経済大国であり続ける

 

というような内容だったようです。

 

巨大な内需を抱え、革新と振り戻しを繰り返し、日本経済はゆっくりと成長するイメージの一方で、低成長は増税と結び付きがちになります。

事実、シンガポールは来年から消費税増税に動く模様です。

シンガポール、来年から消費税引き上げ 高齢化に伴う支出増に備え

 

補助金・助成金はもちろん、税制の時限措置や非課税、優遇措置は有効に使うことは当然として、負担増を切り抜け承継を実現するため、企業においては経営理念・家族憲章といった原点が今後より一層になると思います。

 

そして私どもも、法人税、消費税、所得税、相続税、贈与税に横串を刺し、お客様と月次業績という定点観測を繰り返しながら、引き続き、グループの税理士、現場スタッフ、弁護士、社労士とともに課題解決にあたり、専門職コンサルティングファームを体現して参りたいと考えています。

 

仕事納め。社員がつくってくれた「しめ縄」に、マイ畑に自生している松を飾り付け。

本年も有難うございました。

 

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税制改正が発表。そしてしめ縄奉納。

2023-12-18

テーマ:税理士@松尾経営を守る情報

 

先週、令和6年の税制改正大綱が公表されました。

資料のボリュームは例年通りではあるものの、中小企業実務の観点からは、先送りやマイナーチェンジの性質のものがほとんどを占める印象です。

 

<自社株贈与の納税猶予制度>

自社株贈与の納税猶予を使う際の承継計画の提出期限は令和8年3月末まで延長されましたが、贈与の実行期限は令和9年12月末のままです。

 

納税猶予制度については

・株の移転を急ぐ場合

・業績が堅調な場合

には積極活用の方針ですが、いずれにせよ株式移転に際しては「保有者の目の黒いうちに」というのが大原則になります。

 

とはいえ、後継者のご経験であったり、婚姻しているかどうか、など個人の状況を考えるとまだ贈与できない、というケースも実務的には存在します。

 

その場合には

・相続財産の試算(分割イメージとそれに伴う税負担の確認)

・遺言の作成(株の部分だけでもOK。)

も検討していくことが重要です。

 

<所得拡大促進税制・交際費>

雇用者給与総額が1.5%増加した際、増加部分の15%~40%相当を税額から控除できる制度も、最大45%控除できることとなり、欠損の場合は5年間繰り越せることになりましたが、その期の法人税の20%という上限はそのままです。

 

交際費のうちの飲食費については、一人あたり10,000円以下のものは交際費には該当しないこととなりました。

 

まずそもそも交際費等とは、

1,得意先、仕入先その他事業に関係する者などに対する

2,接待、供応(もてなす)、慰安、贈答その他これらに類似する

ことのために支出するものをいいます。

 

「1」の「など」には、役員や従業員、株主や内定者も入ります。

 

交際費に該当したとしても、資本金1憶円以下の法人の場合には12か月で800万円までは結果的に損金に算入され、また、一人あたり5,000円以下(改正後は10,000円以下)の飲食費については、上記の交際費から除くことが出来ます。

 

<その他>

 

防衛増税の開始時期は触れられなかった上、個人的に一番着目している「退職所得への課税(強化)」についても、「あるべき方向性や全体像の共有を深めながら具体的な案の検討を進めていく」という、ここ数年間と同じ文言が載せられたのみでした。

 

政権の現状を象徴するような税制改正でしたが、改正にあたる基本的考え方とともに、各項目を網羅的にまとめてご報告する機会も早々に設けさせて頂きます。

 

 

 

 

 

一気に冷え込んだ日曜日。

神社の古木にしめ縄を飾って欲しい、と、お隣の村からご依頼を頂き、手作りのしめ縄を奉納させて頂きました。

 

これでいいのかな、、、と多少不安でしたが喜んでいただいて良かった良かった。

 

 

 

 

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中期計画は毎年見直す。短期計画は1年間変えない。

2023-11-06

テーマ:税理士@松尾経営を守る情報

 

事業承継、コロナ融資の返済開始、資金需要(融資)の発生、など理由は様々ですが、経営計画や収支計画のお手伝いをさせて頂く、もしくはご提案をさせて頂くケースが増えています。

 

弊社自身も「中期計画は毎年見直す。短期計画は1年間変えない。」という基本原則のもと、

・毎年経営計画を作成

・期首に全社共有

・その期の重点施策と予算を追いかける

・次の期の経営計画に反映させる

という流れでずっと来ております。

 

経営計画は魔法の書ではありませんが、「書かざるものは実現しない」のもまた現実。

弊社の事業継続の上で欠かせないものになっています

 



 

お客様が作成される場合、「計数」の部分の立案でご心配されるケースもありますが、計数はあくまで「行動の裏付け」と位置づけていただき、

まずは

・定点観測の手段

・従業員や自分自身に対する意思の伝達手段

・社員教育の手段

として考えていただくことが大切です。

 

もちろん私どもも計数は把握しておりますし、弊社で使っているひな型もありますのでご心配は無用です。

 

弊社としては「ウチはこうしています」というスタンスでフォローさせて頂いております。

 



 

インボイス制度がスタートして一か月が経過。

 

インボイス番号がない領収書や請求書を受け取り、「どうしたらいいのか?」「払ってもいいのか?」といったご質問を頂きます。

 

まず、すでに消費税の納税義務のある事業者にとっての最大の論点は、支払の相手先が適格請求書(インボイス)を発行するかどうか?にあります。

 

発行しない取引先がある場合、まずは自社の売上規模別に特例的な措置があります。

 

【法人の場合、基準期間(主として2期前)の課税売上が1億円以下の場合】

・消費税込みで

・1取引あたり

・1万円未満

の領収書等の場合には、帳簿への記載のみで令和11年9年30日までは仕入税額控除が可能です。

(少額特例)

 

【基準期間(主として2期前)の課税売上が5千万円以下かつ「簡易課税方式」を選択している場合】

自社の消費税の納税計算の際は、売上などと同時に受領した消費税のみで計算しますので、支払先からのインボイス発行の有無は結果として納税額に関係しません。

 



 

上記2つのケース以外の場合には、

・インボイスの記載がない

・しかし消費税相当や税込みといったの記載がある

請求書や領収書を受け取った際、たとえ消費税の名目であってもそれは対価の一部であり、支払う側にとっては値上げと同様の効果となります。

 

消費税法57条の5において、

・適格請求書発行事業者以外の者は

・適格請求書発行事業者が発行した適格請求書と

・「誤認」されるおそれのある表示をした書類を

・交付・提供してはならない

という罰則付きの規定があります。

 

しかし、今のところは免税事業者が消費税相当を請求することは「誤認」のおそれのある書類発行とはされない、とされています。

 

したがって最終的には、その実質的な値上げをどうするか、具体的には、

・受け入れない方向で協議する

・経過的に控除できる8割相当まで下げるよう協議する

・そのまま支払う

の3点について検討をすることとなります。

 

インボイス番号がなくても消費税相当の8割を控除できる経過措置もあるとはいえ、2割相当のコスト高を受け入れることになります。

 

既に消費税を納めてきた事業者において、このコスト高の業況にあって、その制度の活用ありきでさらなるコスト高を受け入れる必要はなく、引き続き上記3点を検討すべきものと思います。

 



 

日本最古の道。山の辺の道

最高の秋晴れの日にボランティアガイド。

 

 

100名以上参加され、半数は県外から。

こちらも勉強、勉強。

 

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電子保存が義務化?

2023-06-21

テーマ:税理士@松尾経営を守る情報

 

来年度予算の基本方針である「骨太の方針」が公表されています。

 

安全保障体制を構築しつつ、若年層が本格的に減少する2030年代に入るまでに、基本的には内需拡大(人への投資、労働市場改革、こども子育て・投資拡大・GXDXスタートアップ)を図り、一人あたり生産性を向上させる方向性のように感じます。

 

具体策として一番最初に登場するのが「三位一体の労働市場改革」

「1」リ・スキリングによる能力向上支援

・・・企業経由が主体の学び直し支援策の過半を個人経由にする

 

「2」企業の実態に応じた職務給の導入

・・・事例集のとりまとめ

 

「3」成長分野への労働移動の円滑化

・・・自己都合退職の場合の要件緩和(会社都合退職の場合は触れられず、、、。)と、退職所得課税制度の見直し

 

退職所得課税については、勤続20年までは一年あたり40万円が非課税となり、21年目以降は一年あたり70万円が非課税となります。

例)勤続21年の場合

20年×40万円+1年×70万円=870万円までが非課税

 

長く勤務すれば非課税枠が大きくなるところが疑問視されているのだと推察しますが、当然、役員退職金の水準設定にも影響してきますので、今後どのように制度設計がされるのか、以前から注視しているところです。

参考:R4.1オンラインセミナーテキストより抜粋

 



その他、

 

・賃上げ税制や補助金の強化をさらに検討

・最低賃金1,000円達成後の最低賃金引上げの方針についても議論する

・週20時間未満労働者への雇用保険適用拡大を議論

・中小企業向けの省エネ補助金の検討

・継続的な事業省再構築、生産性向上、事業承継の支援

(事業再構築、ものづくり、IT導入、事業承継の各種補助金)

社会保険の適用拡大検討と年収106万円の壁を超えた場合の手当

 

が掲げられています。

 

その他、奈良県において「物価高騰対策」の流れで、賃金を引き上げた企業に対し「従業員数×5万円助成」の補正予算が提出されています。

県の資料では対象となる賃上げの時期について明示はありませんが、奈良新聞の記事によると「9月から来年2月までの間に基本給や時間給を1.7%以上引き上げた」場合とのことです。

 



 

やはり経営者としては社会保険の被用者拡大が気になるところ。

しかし、社会保険の加入よりも「手取り」を重視するニーズもあることは確かです。

 

例えば法人成りにともない、

「給与扱いのものを外注扱いにしてほしい」という従業員側からの要望を受ける

「外注扱いにしているけれど従業員と待遇はさほど変わらない」

というケースも依然として多いのではないかと推察します。

 

「給与か外注か」で税務面の手続や負担もかなり変わります。

 

そのような中、参照したい地裁判決(高裁でも敗訴)があります。

 

<背景>

社保加入になるなら外注にして欲しいと従業員から申し出あり

・雇用保険から抜ける

・本人から請求書を発行してもらうようにした

・本人は「給与所得」ではなく「事業所得」として確定申告

 

<外注扱いとした後の実態>

・日当は変わらず

・翌月末払いのサイトも従業員時代と同様

・本人はその会社以外からの請負はしていない(専属)

・従業員時代と同様「寸志」も不定期に請求して受け取っていた

・簡易な道具以外は会社側にて支給

・本人の都合がつかない時は会社側が別の外注先を探す

・仕事が完成の対価ではなく日当として報酬を請求できる

 

要は、外注としての形式は整えていたものの、従業員時代と全く実態が変わっていないということで「外注費ではなく給与」とされ、結果、会社側において、

・消費税の納税負担が増え、

・源泉徴収もれ

を指摘されています。

 

インボイス制度も始まるため、外注扱いへの変更の頻度としては減少するのかもしれませんが、会社側としてはメリハリのある実態に即した運用が求められます。



 

最後に電子帳簿保存関係

 

電子帳簿保存について、ソフトの紹介など各種の情報を毎日のように目にするようになっています。

「電子保存が義務化」の部分だけを強調したサイトも見かけるようになりました。

 

電子保存が義務化されることは間違った情報ではないのですが、義務化されるのはあくまで「電子取引の保存」についてのみであって、それ以外は任意適用になります

 

そして適用を決めるに際しては必ず、

・使用ツールの費用対効果

・税務調査への対応方法

が関係してきます。

 

中小企業にとっては、義務化される部分は最小の費用若しくは費用をかけずに粛々と対応し、それ以外の項目については慎重に電子保存対応をしていくべきと考えています。

 

今一度、電子帳簿保存法が要請している保存要件について情報を整理すべく、オンラインセミナーを開催させて頂くこととしました。

 

7月5日16時から40分間で、

 

・電子帳簿保存法の4つのジャンル
・導入を決めるための判断基準
・税務調査と電子帳簿保存
・一番導入しやすいジャンル
・電子インボイスと電子取引

 

といった点について情報を共有し、自社にとって最適な電子帳簿保存法対応を考える機会として頂ければと考えております。

 

お客様向けメールマガジンにて申込みフォームをご案内しておりますので、ご都合許せばご参加ください。

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今年の税制改正は要チェック

2022-12-29

テーマ:税理士@松尾経営を守る情報

令和5年度の税制改正大綱が公表されています。

 

特に今年は

・防衛費財源としての増税

・インボイスの激変緩和措置

・富裕層への所得税、相続税、贈与税の増税

・NISAの拡充

など、公表前からマスコミで取り上げられることが多かったように感じます。

 



実際に公表された大綱も137ページ。

令和4年度の税制改正大綱は102ページでしたのでボリュームも3割ほど増えた形となりました。

 

防衛費の財源としての法人税増税については、

・法人税額から500万円を控除した

・残額に対して

・4%〜4.5%を新たに付加

ということで「令和6年以降の適切な時期に施行」とわざわざ記載がされており、こればかりは今後の議論を待たねばなりません。

 



取り急ぎ、中小企業実務に大きく影響する項目としては

・年800万以下の所得に対する法人税率が15%(本来は19%)となっている措置

30%割増の特別償却が可能な「投資促進税制」

・経営力向上計画をセットで100%即時に償却可能な「経営強化税制」

が、のきなみ2年延長ということでまずは安堵しています。

 



事業承継や相続対策に影響してくる「相続税・贈与税」についても大きな改正がありました。

しかし確かに軌道修正は必要なものの、基本スタンスまでは揺るがすものではないと思っています。

むしろ将来的に税務上の価値が値上がりするはずの「自社株」という財産を持つ宿命にある経営者にとっては有利に働く改正ではないかと思います。

 



節税には生前贈与が決定的な要素になりますが、その生前贈与には2つのコースがあります。

何もしなければ「暦年課税」

これは年間110万円まで非課税というお馴染みのものです。

相続開始前7年間にした生前贈与については無効(相続財産に取り込まれる)となる改正が入りましたが、それは実際の相続時に財産を取得する予定の人にとってのはなし。

そもそも相続権のない人には関係ないことであり、お孫さんへの贈与については今まで通り積極的に活用すべきでしょう。

 



2つめのコースとして「相続時精算課税」

これは読んで字のごとく、生前贈与したとしても、

「相続」の

「時」に

「精算(生前贈与がなかったものとして)」して

「課税」する

制度であるため、もともとは相続税がかからない人向けの制度です。

そして精算のときには「贈与した時の時価」でもって課税されるため、贈与時点から値上がりする見込みの財産を持っている人にも有益な制度でした。

 

一生涯で2,500万まで非課税で、超えた分には一律で20%で課税、これで税金に過不足あれば相続の時に精算します。

で、相続時精算課税にもあらたに110万円の非課税枠が追加されました。さらに、その110万までの金額は相続の時に相続財産に戻されません

 



改正の趣旨は明白。

暦年課税の人・・・相続権のないお孫さんなどに一世代飛ばしで資金移転を促す

相続時精算課税の人・・・相続権がある人で2,500万の枠を使い切ったとしてもまだ非課税枠があるのでさらに生前の資金移転を促す

 

特に相続時精算課税制度の使い勝手が増したように思いますので、制度のメリットデメリットをご説明の上、活用をご提案していこうと思います。

当然、税制改正セミナーでもメインで取り上げます。

 



またその次の週には日銀から政策運営の大きなアナウンスがありました。

原文

 

一番重要なのは

「10 年物国債金利について 0.5%の利回りでの指値オペを〜中略〜毎営業日、実施する」という部分なのだと思います。

今まで0.25%の金利で無条件で日銀が買い取っていた(指値オペ)国債を、今後は0.5%で買い取ることにする、つまりは「今後は日銀の国債買取価格が少し安くなるよ」ということを意味します。

今回のアナウンスを市場がどう反応するのか傾向を注意深く見ておかないといけないと感じています。

でもまあ、トレンドとしては無条件で買い取ってくれる金利水準に落ち着いていく、つまり長期金利は0.5%付近に徐々に落ち着いていくんでしょうね。。。

 



日本経済をマクロ的に見ると、物価上昇率は上がっているとは言え、欧州諸国の1/3程度、アメリカの1/2程度であり周りからすると落ち着いています。

したがって今回のように小幅に金利を上げて物価上昇を冷やすという対応となるのでしょう。

 

税収も最高だしマクロ経済は好調なだけに雇用の7割を支える中小企業にはますます厳しい時代がしばらく続く。。。

月次決算、予実管理そして信頼とともに伴走しなくては、と改めて思います。

 



また、コロナ借換保証も詳細が出ました。

詳細

 

経営行動計画書という書類が必要になるのがポイントですが、極めて簡略的な書類で済むようです。

 

したがって、

1.必要運転資金の把握(決算書や試算表から)

2.1年更新など短期融資の活用

3.コロナ融資以外の借換え

を検証したのちとなると思いますが、

 

コロナ関連融資の借換えも選択肢に入れつつ、資金繰り状況の確認を加えていければと思います。

参考ブログ:運転資金の把握が今後ますます重要に

 



今年の12月はインボイスセミナーが目白押しでした。

11月、12月で計5回。動員数は150以上にお聞き頂きました。

地域への周知活動はいったんこれくらいにして、税制改正にも激変緩和措置が盛り込まれたことですし、原点に戻ってお客様との対話に注力していければと思います。

参考ブログ:インボイス導入ガイド~まとめ~

 

 

2/2(天理本社)、2/3(奈良センターオフィス)にて税制改正セミナーを予定しております。

特に、インボイスへの対応順序と激変緩和措置、そしてこれからの生前贈与策を民法の特別受益の考え方など税法以外の観点も含め、取るべき方策をご提示させて頂こうと企んでおります

 

2/3は一般公開しておりますのでお気軽にお越しください!

申込みフォーム

 



12月27日は奈良センターオフィスの社員でしめ縄を編みました。

 

 

そして12月28日もご紹介いただいたお客様との初めてのご面会。

 

「ワンストップ」「月次決算」の強みをもとに、来年も宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

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さて、税制改正。

2022-12-13

テーマ:税理士@松尾経営を守る情報

防衛費の財源を巡り、ため息の出るような増税議論が続いており、防衛費の不足分を「法人税」を柱に確保する方向性のようです。

 

確かに、国際的な状況としては「ミニマム法人税」ということで、これまで法人税を出来るだけ引き下げて企業誘致など競い合ってきたところ、法人税率の下限を設ける国際的な合意がされており、その意味では法人への課税強化を打ち出しやすい状況にはあります。

 

参考記事:法人最低税率15%、法整備へ 国際合意受け政府・与党

 

さらに、コロナ前は人々が「移動」をものともせずに国境を行き交い、ビジネスにおいても地球を半周するような長距離移動も定着し、世界が一つに同質化するような状況でした。

 

それがコロナ禍と戦争により一気に国境という概念が蘇り、まずは各国とも国内内需を復活させた上で、内需で賄えない資源(天然資源や半導体のような高付加価値品)を融通し合う流れにあるように思います。

 

その状況下ではどうしても「法人の内部留保」と「富裕層」に負担を求めてしまうのでしょう。

であるならば防衛費とは別の論点のはずですが、、、。

 

今年の税制改正は法人税のみならず相続税の課税強化も話題に上っており、多数の改正点が浮かび上がりそうです。(12月15日に公表予定)

 

雇用の大半を担う中小企業にとって負担増となる改正とならぬよう見届けるのはもちろん、

 

企業としては、

・特別償却のような政策的な措置を有効活用した所得の圧縮

・積立型の企業保険のようにキャッシュと利益がズレる要因をつくらない

・人的資源との価値観の共有

・適切、適時の情報開示による資金調達環境

 

このあたりが大切になってくるのではないでしょうか。

 

私からも、税制のみならず、「働き方改革やスタートアップ支援(裏を返せば既存企業の撤退やむなしの認識か?)」の状況を見るに、「これからは中小企業には厳しい時代が続く」、「しかし奇をてらわず求められる価値を考えて基本に忠実に」と社内で共有したところです。

 

年末の公表をふまえ、

2月2日(場所:天理本店)

2月3日(場所:奈良県コンベンションセンター)

の夕刻に税制改正セミナーを企画しておりますので定員等は改めてご連絡申し上げます。

 

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中小企業にとっての総合経済対策

2022-11-02

テーマ:税理士@松尾

 

先週、約30兆円の総合経済対策に関する首相記者会見がありました。

 

日々報道によって流れてくる各企業(主に上場企業)の決算通期見通しは円安によって業績が上振れする内容が多く、現実に税収も9月末までの累計で前年同月比10%近く上がっています

税収推移

 

となると円安基調が続く限りは今回のように補正を組み続けて再分配する流れが続くように思います。

 

弊社を含む中小企業にとっての経済対策という観点で今回の内容を見ますと、やはり物足りなさを感じます。

 

内容としては相変わらず

中小企業等事業再構築促進事業

中小企業生産性革命推進事業

が主になります。

 

一応は、中小企業の輸出支援や、「人への投資」関連で「産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)(仮称)」というのが創設されたりはするものの、中小企業にとっては人材教育よりもまずは「人材採用」を喫緊の課題として捉えているところが多いのが現実です。

 

また、税収が増えたことから地方交付税も増額されるようですので、地方自治体単位での補助金が今後も創設されることが見込まれるので要注意だと思います。

天理市事業継続支援金

 

「人」関連の助成金についても社労士と連携しながら対応して参りますが、いずれにせよ弊社も含め、固有技術に磨きをかけ変化し続ける必要性を改めて感じた経済対策の内容でした。

総合経済対策の原案全文

 

 

また、年末に向けて税制改正に関する報道や憶測が飛び交っています。

 

かねてから

贈与税がなくなる

・生前贈与をしても相続財産に取り込まれるようになる、、、等々。

様々な話がありましたが、現在は専門家会合が開かれ、そこで詳細が議論されているところです。

 

まだ11月1日現在は税制調査会のHPに議事録がアップされていませんが、先日は下記のような報道がありました。

 

生前贈与の前倒し促す 財務省、相続税への加算期間拡大

 

現在では一定の条件にあてはまる生前贈与については、相続開始前3年以内のものは相続財産に取り込まれます。

その「3年」という期間を「5〜10年間を目安に延長する方向」との記事です。

 

生前贈与をしていても相続財産に取り込まれる期間を延長させる方向性のよう(詳細は議事録が公表次第確認します)ですが、あくまで「相続、遺贈によって財産を取得した人」のみが現行の加算措置の対象です。

 

期間が延長されるのみであれば、例えばお孫さんのように相続によって財産を取得することが出来ない人への贈与は依然として有効ですし、早めの段階からの計画贈与は変わらず有効ということになります。

 

実務においてはこれまで通り、若干対策期間は短縮させつつも、

・現状把握(相続税試算)

・納税資金対策

・分割対策

・節税策

の順で粛々とオーダーメイドの対策を実行していこうと思っています。

 

 

ライフワークにしている地域の子供たちへのしめ縄づくり体験会も、今年は児童養護施設の子供たち40名からスタート

 

 

 

畑で育てたケールを青汁に、元気満開で価値提供に努めます(笑)

 

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資金繰り改善の順序(最近の傾向から)

2022-06-20

テーマ:税理士@松尾

先日は「骨太の方針」の公表がありました。

 

教育や外交安全保障など、国家としての当面の政策の方向性が網羅的に公表されており、中小企業施策と税制についても記載があります。

 

【中小企業施策】

 

コロナ禍にあってはとにかく「資金繰り支援」を最優先にされてきたように思いますが、今回の骨太の方針においては事業再構築という言葉が幾度となく登場し、原料高等への緊急対策は講じつつも、基本的考え方が

・収益力改善(ものづくり補助金や経営改善計画策定事業)

・再構築支援(再構築補助金や経営者保証の見直し)

へ、グッと重点を移したように感じます。

 

コロナ融資は金利が圧倒的に有利とはいえ、猶予期間を経て返済がスタートすると返済のピッチが早くなりがちです。

 

実務上の対応策としては、

1.当座借越枠の設定または増額の要請

2.短期融資の活用

3.コロナ融資以外の借換え

4.資本性ローン(政策公庫または保証協会)

5.追加融資

6.条件変更

の順に考えていくべきと思います。

 

優先順位が高いものほど実務的な活用難易度は上がります。

しかし、どの対応策が良いかの判断材料は兎にも角にも「月次試算表」です。

 

当社も「資金の先行き」を見える化した上で、金融機関とも連携し財務的なサポートを着実にさせて頂きたいと考えております。

 

【税制】

 

骨太の方針における表現は

・再分配機能の向上

・格差の固定化防止

・多様な働き方に中立

ということで大きな流れに変わりはありません。

 

その表現を実務に影響が大きな項目に置き換えると、

・金融所得課税

・退職所得への課税強化

・相続税と贈与税の一体化

ということになると思います。

 

今回の「骨太2022」においては「骨太2021を踏まえ」と書かれ、

「骨太2021」を見ると「骨太2020を踏まえ」と書かれ、

「骨太2020」を見ると「骨太2019を踏まえ」と書かれ、

世論を見ながら水面下で長期的な議論が続いている状況と感じます。

 

上記の3点は「経営の出口」で避けることのできない論点となりますので、引き続き原理原則を大切にして、地域企業の継続と経営者のハッピーリタイヤの実現を目指していきたいと思います。

 

さかのぼること2019年、当社の「あおばセミナー」の第100回目の記念セミナーで講師としてお招きをさせて頂いた一般社団法人国際教養振興協会の東條代表と久々に食事をし、その時にサプライズとして感謝状をいただきました。

 

東條様に気づきを頂いた「しめ縄づくり体験会」を私の地元に落とし込み、継続して開催をしてきたことに対してのものです。恐縮。

昨年は地元小学校の授業の一環に取り入れていただき、

まずは「しめ縄づくり」の気づきを頂いたこと、

年末の忙しい中でもスタッフとして集まってくれる仲間たち、

逆に私が感謝しなければならないところ感謝状とは「いや~循環するもんだナァ」としみじみ感じつつ、こちらの活動も継続していきたいと考えています。

 

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ミニマム法人税と税務調査

2022-06-06

テーマ:セミナー報告税理士@松尾

 

昨年OECD加盟各国間で「ミニマム法人税(国際的な最低法人税率の導入)」に関する合意があったことから、中長期的には法人税率が上昇傾向にあると考えられます。

 

私ども税理士法人あおばが所在する奈良県のような地方においては特に、雇用を支えているのは中小企業であり、その中小企業を経営の3本柱である「人づくり・客づくり・財務」のうちの財務面からサポートさせて頂くのが最大のミッションと考えて私どもも事業展開しています。

 



 

ミニマム法人税の流れや私どもの基本的考えをふまえ、中小企業が有効活用すべき制度として

「企業型選択制確定拠出年金」という制度があります

 

個人で入るイデコとは違って会社が就業規則等を改訂して導入するもので、

・役員も加入でき、

・掛金は会社の損金で、かつ所得税の課税対象にならず、

・社会保険料の節減にもなる

というものです。

 

また、会社の借入を個人保証しているケースがほとんどだと思いますが、確定拠出年金の受給権は差し押さえが禁止されており、公的保証のない経営者にとって隠れた、そして大きなメリットといえます。

 



 

もちろん60歳まで引き出せないなどデメリットはありますが、それを上回るメリットがあると判断しており、当社でも導入しています。

会社としては「枠」を用意するのみで、そのあとは「選択制」ですので役員及び従業員の加入判断に任せることになります。

損金性や社会保険料の節減効果があり、経営者・従業員の退職金積立に資するにも関わらず中小企業には周知がほとんどされていないのが現実です。

 

先日、まずはオンラインセミナーにて制度を周知させて頂きました。

 

スタジオをお借りしているフリーアナウンサーの清水健様にもセミナーの最後に登場いただき、聞き手の立場から素朴な疑問をいただき、和気あいあいと開催することが出来ました。

 

セミナーの様子

 

あおばオンラインセミナー、今後も有用と確信する情報を発信していきます。

 



 

また経営環境の一つとしてwithコロナが本格化する中で、税務調査をはじめとして税務当局との接触も増えてきています。

 

こちらも、税理士法人あおばとしては税務調査対策ありきではなく、まずは「経営を守る」ことを最重要視し、それを実現するために「内部統制」の効いた組織づくりを最大論点にお客様と日々接しています。

結果として税務調査で右往左往しない強い会社となります

 

最初から不正を疑うわけではなく、

・人は誰しも間違えるもの

・どんな人も体調を崩すこともある

・自分は体調万全でも家庭事情によって仕事が第一じゃなくなる時期も当然ある

そういった事態にも対応でき、かつ「粗利益」「在庫」「資金見通し」など財務上の重要な指標をタイムリーに経営者が適切に把握できる仕組みを総合して「内部統制」と考えています。

中小企業のなかでも規模の大小に関わらず考えておくべきテーマになります。



 

先日、法人の税務調査の立会時に調査官と交わした会話の中で、「現在、印紙の非違の指摘が少ない状況で、良く見てくるようにと言われてるんですよね」というような発言がありました。

こちらからすると知らんがな、という話なんですが、確かに過去に結んだ契約書にまでチェックが及んでいないことは可能性として考えられます。

 

そもそもこれだけネットでの取引や申請が普及している中で、時代遅れの税金であることは確かなのですが、しかしそれでも印紙税収は毎年1兆円ほどであり、貴重な安定収入になっていることも事実です。

 

実務的には印紙税で言うところの「請負に関する契約書」に該当するかどうか、というのが多くのケースでは最初の論点になります。

 

印紙税が必要かどうかの判断においては、取引相手と交わす書類のタイトルはさほど関係ありません。

例えば当社においてもお客様と「委任契約書」を交わしますが、請負に関する契約書として印紙を貼っています。

そこでの記載が月々の顧問報酬のみであれば、委任契約ですので印紙税の課税対象外ですが、顧問報酬の記載の他に「決算」の記載もあることが通常ですので、請負の要素も含んでいることになり、タイトルは委任契約書ですが印紙税が必要となります。

 

いずれにせよ法人税の調査とは言え、印紙税やさらには源泉所得税も含めて網羅的にチェックされる傾向にありますし、印紙の貼り付けがなかった場合のペナルティも過去複数年度となると大きくなるので普段から気を付けてチェックしてければと思います。

 



 

日も長くなり、夕刻などには自宅の周りを散歩するのが気持ちいい季節。

しかし確実に空き家の増加をヒシヒシと感じます。

 

また、子供のころはここは○○屋さんだったな、もう商売やめちゃったんだな、というのを目にすることも。

そしてその目線の先にはコンビニや大手回転すしチェーンの看板。

 

やはり、地域に根付く中小企業はその地域の風景そのものであり、それがなくなると日本の地方は同質化してしまいます。

地産地消ではなく地産外商。

軸足をそのままに、常に研鑽を続け、中小企業を真にサポートできる、より良きチーム(会社)づくりを進めていきたいと思います。

(二上山と崇神天皇陵)

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なにごとも結局は「人」。その支援策やセミナーについて。

2022-05-06

テーマ:セミナー報告税理士@松尾経営を守る情報

 

「人は石垣、人は城」との通り、経営の上で「人」に関して思考を巡らせることは尽きません。

 

税制面からは、人材投資への支援策として「所得拡大促進税制」があります。

 

適用することが出来れば納める税金を直接減らすことができますので補助金や助成金と同じ効果を生みます。

 



令和4年4月1日以降に始まる事業年度から税制改正によりさらに使いやすくなっており、

 

・役員を除き、パートアルバイトを含む総人件費が、

・前年度比1.5%もしくは2.5%以上増えていれば、

・増えた金額の15%(増加率1.5%〜2.5%の場合)もしくは30%(増加率2.5%以上の場合)を、

・税額から控除(ただし法人税の2割が上限)する、

 

というイメージになります。

 

さらに、教育訓練費(研修費、講師への謝礼)が前年度比で10%以上増えていれば控除率がさらに10%上乗せされます。

 

控除の上限が法人税の2割という部分が改正されずそこはボトルネックではあるのですが、制度自体は非常にシンプルかつ控除額も増額されておりますので、まずは教育訓練費の集計を日ごろから心がけておいて頂ければと思います。

 



教育訓練費とは基本的には

 

・役員や個人事業主自身を除く人への

・業務に直接必要な技術や知識を

・習得させたり向上させたりするための

・損金もしくは必要経費に算入される費用

 

となります。

 

管理方法としては、帳簿上において福利厚生費勘定に枝番を付けておいたり、研修費という科目を設けたりということで可能かと思います。

 



実務上、もう一点気を付けなければならないのは、その費用が「福利厚生費ではなく、その従業員への給与とならないかどうか」という点になります。

 

業務上必要な研修に出席させたり、外部から講師を呼んできて研修会をしてもらったり、というのは問題ないと思いますが、

 

例えば、

 

・あまりに高額であったり、

・研修旅行のように技量の向上に直接関係がなかったり

 

とすると、「給与」として所得税を徴収しなければならないケースがあるので注意が必要です。

 

教育訓練費(損金となり給与課税とならない)として扱うには、

 

・業務との関連性が明確であり

・機会が公平に与えられ

・業務を遂行していくことによってその効果が消費されていく

 

ことがポイントではないかと思います。

 



また、少し余談になりますが、個人事業(所得税)について

 

・カイロプラクティックを営む事業主が

・柔道整復師の資格を持つ従業員が辞めたので

・自分が柔道整復師の資格を取得するために

・専門学校に行った費用約300万円

 

これが、事業主自身の人的価値を高めるだけであってその年度の収入とは直接関係しないから必要経費として認められない、といった判決が出ています。

 

そもそも必要経費ではない、ということとなれば所得拡大促進税制どころの話ではありません。

 

原則的な考えをおさえつつ、また、助成金も活用しながら人への投資を実施して頂ければと思いますし、私どもも給与課税など周辺領域も把握しつつご案内していければと考えています。

 



また、お客様向けにはなりますが、6月には

 

・役員、従業員ともに損金算入で退職金積立ができ、

・採用環境や従業員の福利厚生にも寄与し、

・社会保険料の節減も可能となる

 

方策についてオンラインセミナーを開催します。

(当然、税理士法人あおば自身も導入済みの制度です。)

 

全額損金かつ解約すると大部分が戻ってくる、といった商品がなくなった今もなお、4割損金で落ちて配当も加味すると9割以上が戻る、といった切り口での保険営業が繰り広げられています。

 

それらはあくまで課税の繰り延べですので、そういった意味では所得拡大促進税制は純粋な節税です。

また最近は個人単位でも投資や退職金積立への関心が高まりつつありますので、6月のセミナーは節税と資産運用の両面に効果があるのではないかと思います。



 

天理の隠れた名所「大親寺」。

奈良時代に開かれ、空海によって再興されたお寺。美しい緑のじゅうたんで満たされています。

大和(やまと)は秋もいいけどやっぱり春やなあ、と思ったゴールデンウイーク。

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入門した、いや、私なんぞが入門させて頂いたばかりの生花

2022-01-28

テーマ:税理士@松尾

 

コロナ禍で目まぐるしく状況が変わり続ける中、集中力をとブレない軸を鍛えるために、清水健さんの運営される「each stage」のカルチャースクールで「生け花」を習い始めていました。

 

それまで「花」とは無縁の世界で生きてきましたが、やはり実際に生けてみると、少しの角度、長さ、色合い、葉や花の有る無しで表現が圧倒的に変わる世界を体験しています。

 

僅かな差が圧倒的な違いを生む経営の世界に相通ずるものがあります。

 

そして生花は引き算、とのこと、無駄をそぎ落としていくほどに洗練されていくことが少しだけ分かります。

 

と仰々しく言っていますが、まだまだ入門した、いや、入門させて頂いたばかり。

 

しかし、何をやるにせよ一つの節目は必要だろう、ということで生花発祥の地である京都の六角堂にて開催される「池坊 男花展」にチャレンジをしてきました。

 

実質素人、、、

小さいときから美術は苦手、、、

生花発祥の地、、、

花展には参加者としてすら行ったことがない、、、

雰囲気すら分からん、、、

 

ビビりまくりの2日間でしたが、聞けば六角堂は聖徳太子の創建とのこと。

奈良県民としては若干の親近感ももちつつ、素晴らしい機会を頂けました。

 

 

 

 

機会を頂いた清水健さん、大いに手ほどきをして頂いた先生に感謝。

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