税理士松尾ブログ

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同族会社への貸付金を相続財産から除外できるか

2018-10-17

テーマ:事業承継経営を守る情報

 

会社への貸付金(会社から見れば借入金)について、

 

東京地裁の平成30年3月27日裁決に下記のようなものがります。

 

・親が代表を務める会社に親が貸付けをしていた

 (約5,700万円)

 

・借り入れは昭和50年から徐々に発生

 

・親が亡くなる

 

・相続人(子)は、会社の経営にはノータッチ

 

・会社の決算状態も一切知らない

 

・会社の営業状況は改善される様子はない

(ほぼ借入金相当が債務超過)

 

・生前は毎月10万円ずつ返済

 

・返済は自分(親)が生きている間だけでよいと言われていた

 

 

およそ上記のような条件のもと、

貸付金5,700万円相当を相続財産に含めずに申告した事例です。

 

 

「返済は自分が生きている間だけでよいと言われていたこと」

をもって相続が発生した時点で債務免除されたものと主張するものの、

 

その主張も実らず。

 

また、「会社の経営状態が改善する見込みがないこと」

をもって相続財産に入れなかったと主張するものの、

 

それも実らず。

 

 

判決では、財産評価基本通達において、

 

相続財産に算入しなくてもよいケースとして挙げられている

 

「その回収が不可能又は著しく困難」なときとはどんな場合か?

という点について、

 

 

「債務者(会社)が経済的に破綻していることが客観的に明白」であること

を要求しました。

 

会社が破産等の法的手続きに入っているなど「客観性」が必要ということです。

 

 

会社への貸付金については、返済を免除すれば会社側で収益計上されます。

 

債務超過の状態で資本金に組み入れれば、こちらも会社側で収益計上される可能性が高いです。

 

 

まずは「債権の有無の確認」、そして計画的な返済・贈与による名義変更など、

 

こちらも事業承継にあたっては重要テーマとなります。

 

 

ほとんどの日本の企業が今まで経験してこなかった

「事業承継」という問題。

 

本当に論点が多岐にわたります。

経営者と後継者に、本当に信頼できる伴走パートナーが必要です。

 

 

将来、相続税を払うのは後継者。

 

後継者も他人ごとではすまされません!

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