税理士松尾ブログ
士業向け勉強会で講演させて頂きました。
2018-09-23
敬愛申し上げる弁護士の白木先生(https://www.lawtax.jp/)
の主催される、弁護士・行政書士・不動産鑑定士・社会保険労務士等の
「士業」の団体である「大阪PAL研究会」にて
新しくなった自社株の納税猶予制度について講演をさせて頂きました。
・5年間の雇用8割確保
・猶予取消時の納税リスク
の2つが大きなボトルネックとなって現場に根付いておりませんでしたが、
ちまたで噂されているように格段に使いやすくなり、
事業承継にあたっては「必ず」選択肢に入ってくる制度となりました。
残るリスクは・・・
・税理士側の管理リスク
でしょう。
3年ごとの継続報告は一生涯続きます。
一日でも遅れればその瞬間に猶予は打ち切りです。
そして決定的に大事なのは「遺言」です。
租税特別措置法七十条の七の二7項に【申告期限内分割要件】があります。
【相続に係る相続税の申告書の提出期限までに、当該相続又は遺贈により取得をした非上場株式等の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によつてまだ分割されていない場合における同項の規定の適用については、その分割されていない非上場株式等は、当該相続税の申告書に同項の規定の適用を受ける旨の記載をすることができない】
株式部分について分割されていないとこの制度は受けられないのです。
さらに厳しいのは、添付書類について。
こちらは
経営承継円滑化法施行規則七条3項4号に規定があり、そこには、
【株式等に係る遺言書の写し、遺産の分割の協議に関する書類(当該相続に係る全ての共同相続人及び包括受遺者が自署し、自己の印を押しているものに限る)の写しその他の当該株式等の取得の事実を証する書類】
つまり添付書類に遺言又は分割協議書が必要。
しかも相続開始から8か月以内にこれを準備する必要が。。。涙
「遺留分対策・納税猶予適用」
という2つの側面から遺言書が決定的に大事になります。
恐らく弁護士からすると、「顧問税理士がついてるんだから遺言くらいはあるだろう」
とお考えの方も多いと思います。
しかし、税理士業界にとって遺言は決して身近なものではありません。
ここに「境界領域のワナ」があります。
ここに士業を横断した「奈良ASPO(アジア士業共同体)http://flight.or.jp/」を結成している理由があります。
・国家的課題
・静かなる有事
である「事業承継」というテーマ。
もはや従来の枠組み(税理士だけ・社会保険労務士だけ、、、等々)では
限界があります。
私たちも、士業連携をさらに深めていきます。
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