税理士松尾ブログ
承継計画の提出期限まで1年を切りました。
2023-04-06
先日は奈良新聞社さまの取材でした。
また今月の中旬には記事が掲載されると思います。
テーマは「ポストコロナの県内中小企業」といったものでしたが、士業の立場からするとどうしても「事業承継」の話をしてしまう自分がいます。
実務でほぼ毎日事業承継のお話ですし、
・事業の承継は雇用を守ることであり、
・雇用を守ることは生活を守ることであり、
・地域を次代へつなぐことである、
と信じて実務にあたっています。
その事業承継関係で重要なものが「自社株贈与に係る納税猶予」制度になります。
納税負担なく自社株の生前贈与が実現できるものです。
⇒参考動画
前提条件として、
・令和6年3月末までに特例承継計画を提出
・令和9年12月末までに贈与実行
となっており、計画書提出期限まで1年を切りました。
実際の贈与実行は令和9年12月末までではありますが、
贈与実行時点で、
・後継者が代表者になっていてかつ3年以上役員である必要があり、
・承継者(渡す側)は代表者から退いている必要があり、
そういった人的側面を第一に、制度活用を検討していかなければなりません。
納税猶予制度を使うかどうかの前に、そもそも生前贈与には、
・暦年贈与(110万円までの非課税枠を使った贈与)
・相続時精算課税(2,500万円までの非課税枠を使った贈与)
の2通りの方式があります。
後者の精算課税は非課税枠が大きく、それを超えたとしても税率は一律20%ですので生前での税負担は少なくて済みますが、相続時に精算(生前贈与がなかったものとして再計算)されるため、
・値上がりする財産をお持ちのケース
・相続まであまり時間がないと見込まれるなど時間がないケース
・精算されたとしても相続税がかからないケース
に、精算課税制度をご提案をさせて頂くことが多くなります。
経営者にとっては、従前からある「暦年贈与」を主として、生前の財産移転並びに節税を図っていくことに変わりはありません。
年に一度、お孫さん名義の口座に振り込む、といったケースも多いと思いますが、税務上も有効に贈与を成立させるためには、「受贈者(もらった側)がそのお金を自由に使える状況」を担保しておかなければなりません。
その上で、節税の王道である「少ない金額を長い期間で」を意識しながら計画的に生前贈与を図っていきます。
実務上、「贈与する側が元気だから」生前贈与がまったく進まない、というケースもけっこう多くあります。
しかし反対に、意思が明確で元気だからこそ、会社に関連する財産(貸付金や株式)は特に、生前贈与の検討をスタートしておきたいところです。
検討の結果、「何もしない」というのも当然に有り得ることと思いますし、まずはとにかく早いタイミングからの検討着手が望まれます。
それがつまるところ経営の承継の重要な柱ですので。
話は変わりますが、事業承継を機に「経理の合理化」をお考えになるケースも多々あります。
代表者の交代とともに、ベテラン経理事務員さんからの引継ぎも開始されたり、急な退職や体調不良に備えたり、といったケースです。
会計ソフトやそれに伴い購入するパソコンに対して「IT導入補助金」がありますが、新たなスケジュールが公表されています。
単に会計ソフトの変更だけにとどまらず、「経理の合理化」の面から検討していくことが重要です。
実際、小口現金の精算の手間が減る、月次試算表の作成タイミングが早まる、経理事務への投下時間が減少する、といった効果が見られます。
私どもとしてはマネーフォワードさまと協業して合理化支援をさせて頂いていますが、
いま公表されているスケジュールからは、
<一次公募>
・4/25申請締切り
・6/1以降に発注
<二次公募>
・5/16申請締切り
・6/22以降に発注
<三次公募>
・6/2申請締切り
・7/12以降に発注
がという流れになります。(デジタル化基盤導入枠)
会計ソフトなどが対象の「デジタル化基盤導入枠」については、採択率が非常に高く、二次公募以降はまだ時間の余裕がありますので活用検討の価値ありかと。
決算が終わり次第会計ソフトを変更、と考えると、4月決算・5月決算の法人さまの場合は特に、補助金の交付決定と決算による切替のタイミングが良いのではないかと思われます。
気持ちのいい日曜日。
畑の通路に芝生を植えてみました。
今まで雑草で困っていましたが、青々とした芝生が雑草に打ち勝ってくれることを期待!
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