税理士松尾ブログ

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ソフトバンクG 納税ゼロの波紋

2019-08-21

テーマ:経営を守る情報

 

「ソフトバンクG 納税ゼロの波紋」
という記事が日経に載っていました。

記事

 

海外子会社からの配当については95%が非課税(益金不算入)となる制度を利用してのものですが、
これは何も法のスキマを縫うようなことではなく実務的にも出てくることです。

 

制度の目的は日本国内への資金還流です。

 

トランプ大統領も、アメリカ国内への資金還流を意図して就任時の税制改正でこれを導入しました。
いわゆるレパトリ減税といわれるもので、

それまでは

・アメリカ国内に還流させたらアメリカ国内所得と合算して課税
・でも還流させていなければ非課税

というものを改正し、

・アメリカ国外からの配当は100%非課税
・しかし配当(還流)させていないものに対しても例えば現金には15.5%で課税する

という改正を加えたもの。

 

効果は大きかったようです。

記事

 

ソフトバンクもこの制度で還流を受け、

今回はそこに経済合理性にもとづいた組織再編行為も重なった結果のことだと思われます。

 

 

国外で儲けを出し、国外で再投資をする限り、

企業業績がいくら良くても、日本国内でその豊かさをなかなか実感できない、。

これは近年ずっと言われ続けていることですね。

 

外で稼いだものをいかに国内に還流させ、
その資金でもって国内へ投資し、再び外へ売る。

 

よく言う
地産地消(地元のものを地元が消費する)も大切ですが、

 

地域経済を考えると、

地産外商(地元のものを外に売る)ことや、
地消地産(地元で消費されているものを地域外に頼るのではなく地元でしっかり生産する)ことも、

 

これから人口の減るこの国では大切になるな、と考えるきっかけとなった一件でした。

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