税理士松尾ブログ

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銀行に決算書を渡すだけで終わっていませんか?

2020-07-30

テーマ:経営を守る情報

コロナの影響が出始めたのが2月中旬。

 

3月決算、4月決算と、その申告期限がおわり、まもなく5月決算の企業さまの申告期限(7/末)も到来しようとしています。

 

コロナの影響が具体的に表れている決算書をもって、社長さまとともに金融機関へと報告に行く機会が増えています。

 

金融機関の担当者に渡しておけば問題ないのでは?と考えがちですが、

 

金融機関の担当者⇒その上司⇒その上司⇒本部⇒その上司、、、と伝言ゲームになるのは目に見えています。

 

また、今ある借入をおこすときに計画数値を提出しているケースも多いでしょう。そのときの計画値と、コロナの影響を受けた実績値に乖離があるとなれば、当然に説明が必要になります。

 

ただポンと決算書を渡すだけではその企業の状況や見込み、社長様の現状認識などが伝わりにくい、と判断して乖離が大きいところはあえて報告に行くようにしています。

 

結果的に、まあそこまでする必要なかったかもね、となればそれはそれでオッケー。

 

決算書の他に

・前期比較を持参する

・対計画との実績比較を持参する

・来期の目標数値を持参する

・現場の受注一覧を持参する

 

などケースはさまざまですが、共通して感じることは、経営者ご自身で「数字を話せる」ことで信頼関係がグッと増すという点です。

 

その会話の中で税務的な要素が出てくることも多いので、その際はフォローさせて頂いています。

 

コロナの影響がいつまで続くとも分からず臨機応変な資金調達環境が重要な中、「話せる」ということを大切に、金融機関と企業との「対等な信頼関係」を構築、継続していく必要があると思っています。

 

とくに社歴や社長歴が短ければ短いほどに重要な要素となるように思いますし、これを決算の時だけではなく、月次試算表をもとに3か月に1回程度、定期的に実行するとなお効果的かと思います。

 

コロナ禍でいまは緊急避難的に融資を引き出せたとしても、1年後、同じように引き出せるとも限りません。

 

それに備えての対等な信頼関係。

その根幹となるのは月次試算表。そしてそれを話せること。

 

コロナ禍では「経済を回す」という表現がよく使われますが、では一体だれが経済を回しているのか?

 

中小企業の経営者だと思いますよ。雇用を通じて。

誇りをもっていきましょう。

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物件の「借り主」と「貸し主」へのコロナ支援策

2020-07-14

テーマ:動画配信経営を守る情報

 

メルマガでは家賃支援給付金のポイントとなる部分をまとめた動画を先週に送らせて頂いたところです。

 

動画

 

あらためて主な申請条件をまとめると下記の通りです。

 

・コロナの影響で5~12月のいずれかの月の売上が前年同月50%以上減少、または連続する3か月の売上合計が前年の同じ期間の売上合計の30%以上減少

 

・他人の土地建物を自己の事業用に使用している

 

・2019/12/31以前から事業収入がある

(2020/1~2020/3の間に設立した法人も対象にする方向で検討中)

 

・申請日直前3か月の賃料の支払い実績がある

 

・2020/3/31時点で有効な賃貸借契約がある

 

・申請日時点で有効な賃貸借契約がある

 

 

また、動画の収録時点では明らかになっていなかった下記の書類も公表されてきています。

 

 

賃料を支払ったことを証明する領収書などがない場合

支払実績証明書

 

 

契約書がない場合

賃貸借契約等証明書

 

  

 

尚、家賃支援給付金はあくまで「借り主」への給付ですが、貸し主」へのコロナ対策はどうなっているかというと下記の2つの措置があります。

 

固定資産税の納税の猶予

パンフのP68

 

固定資産税の軽減措置

パンフのP74

(令和3年分の建物や償却資産が対象で、土地に軽減措置はないことがポイントです) 

 

 

支払家賃への対策は一足も二足も遅くなった感がありますが、受給できるとすれば持続化給付金を上回ることも予想されます。

 

ただ、申請日の直前1か月間に支払ったものを基礎として給付額が計算されますので、いまは猶予中であるとか減額中の際は元通りの水準にもどってからの申請の方が良さそうです。

 

それにしても、今後は区や市町村といった基礎自治体主導での積極的な疫学検査がなされ、新規感染者の数はこれからも増えるでしょう。

 

まさに「withコロナ」の時代になりつつあります。

 

自分自身にもお客様との接し方に随分と変化があります。リアルのとき、あえてオンラインのとき、やむをえずオンラインのとき。

一長一短あると思いますが、いずれの局面でお客様にとっての「安心」はどこにあるのかということへの執着は以前にも増したように思います。

 

コロナ禍ではよく「元に戻る」ということばをよく耳にし口にもしますが、元に戻るのではなく「前へ進む」ことがコロナ禍での本質であるように思います。

 

前へ前へ。それが「負けない」ということ。

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家賃支援給付金と反転攻勢サイクル

2020-06-25

テーマ:経営を守る情報

 

二次補正予算に盛り込まれた「家賃支援給付金」についての概要と現時点での情報を箇条書きにて記しておきます。

 

<概要>

 

・5月~12月において以下のいずれかに該当

⇒いずれか1カ月の売上高が前年同月比で50%以上減少
⇒連続する3ヶ月の売上高が前年同期比で30%以上減少

 

緊急事態宣言の「延長」に対する支援であるため、5月以降が対象となっていることが最大のポイントです。

 

・下記の月額に「6」を乗じた金額が給付額

⇒法人は月額75万円までは給付率2/3、それを超える分は1/3で月額上限100万円

⇒個人は月額37.5万円までは給付率2/3、それを超える分は1/3で月額上限50万円

 

 

 

<ポイント>

 

・地代(駐車場代を含む)と家賃が対象で共益費も含むかは検討中。

・支給対象となる事業者は持続化給付金と同じ。

(宗教法人や非営利型一般社団法人は対象外)

・事務委託の民間団体はリクルート。

・3か月連続で売上30%減少というのは「平均」でOK。

(40%、40%、10%減少でもOK)

・申請時の直近の支払家賃をもとにする(8月申請であれば7月支払のもの)。

・払ったときの領収書と賃貸借契約書は必要になる見込み(契約書は今から準備を)。

・給付金額が大きいので2分割で給付を予定。

・提出書類や給付対象は調整が続いているためシステム運用開始は早くて6月下旬。給付はもっと先。

 

 

移動制限も緩和、プロ野球も開始したとはいえ、まだまだ先行きの見通せない中ではあります。

 

三次補正で減税措置はあるか、と思うところではありますが、税収はマイナスとの報道。

【イブニングスクープ】2019年度税収60兆円割れ

 

 

そんな中、お客様と打ち合わせをする中で話題に上るのが「収支計画」。

 

・再び店を開けてお客様は戻ってくるのか?

・借りたはいいけどどうやって返していくか?

・コロナの影響が押し寄せてくるのはむしろこれから

 

ビジネスによって状況は異なり、なかなか立てづらい状況下ではありますが、

だからこそ数字に落として収支を可視化することが大切な時節でもあります。

 

収支計画とはすなわち「シミュレーション」です。

 

さまざまなケースをシミュレーションしてみることが大切であり、

税理士事務所の力も大いに借りてよいと思います。

 

 

過去の動画からですが、「こうすれば収支計画は誰にでも立てられる」という動画があります。

(社内で自分で撮っているので照明がくらくてすみません。)

 

非常にシンプルなものなので一度、ご覧いただければと思います。

 

 

ただ、収支計画はあくまで「どうするか」というのを数字に表したものです。

 

その収支計画が実現されたら「どうなるか」という部分が大切で、そこを可視化する独自のソフトも開発してございます。

 

帳表イメージ

(ヒアリングをしながら収支計画が実現されたときの「キャッシュ予想・負債予想」をチャートで確認します)

 

 

弊社では「反転攻勢サイクル」と言っていますが、

 

・収支計画をつくる

・実現した時のBS(貸借対照表)を確認する。

・予算と実績を対比しながら月次で追いかける

というサイクルが今こそ大切です。

 

コロナ禍は経営者としての自分自身を試された気がしたとの声をよく耳にしますが、

目標を数字によって見定めたうえで邁進できる環境整備もまた、経営者の重要な役割かと思います。

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大阪府独自基準に用いられた、企業経営にも使う「移動平均」の考え方

2020-05-08

テーマ:経営を守る情報

先日、「大阪モデル」という大阪府独自の自粛解除基準が示されました。

 

「新型コロナウイルス対策本部会議」の議事進行をみておりますと、未曽有の危機の出口戦略に使う【指標】を選定するにあたり、

・府民の誰にでも取れる数値を用いること

・府民の誰にでもできる計算式の指標であること

・リアルタイムに取れる指標であること

を重視していることが特徴的であるように感じます。

 

諸外国は一人が何人に感染させるかという「実効再生産数」を指標にするところが多いようですが、それだと計算式が複雑で専門家しか分からず、しかもリアルタイムではない、という判断のようです。

 

事実、5月5日の会議に出席していた専門家のかたも「サイエンスとしての正確性には自信がない」とはっきりおっしゃっていました。

他にももっといい指標があると分かればその時に変えればいい、とも。

そして今回の措置は分かりやすいがゆえに賛否両論それぞれあるでしょう。

 

それでも、シンプルで分かりやすい数値を選択することで「現場で使える」「行動につながる」ということを優先したのだと思います。

行動につながってこそ「アラーム」になる、ということです。

 

企業経営においても、アラームに気づくようにそれぞれ重要視している「数値(ベンチマーク)」を選択することが重要と思いますが、今回の大阪府の選択はそれに相通ずるところがあるように思います。

 

キャッシュ増加をゴールとするならば、キャッシュ増に強く影響を及ぼすベンチマークは何か?

客単価か?

セミナー動員数か?

ある特定の商品の販売数か?

企業それぞれで重要なベンチマークがあると思います。

 

ちなみに弊社は全てのお客様の黒字決算割合を移動平均で統計化し、ベンチマークとしています。

やはり、何はともあれお客様に黒字でいて頂くことが重要であり、お客様の数字を把握している立場として黒字達成にどれだけお役立ちできているのかを重要視しています。

 

そして今回の大阪府独自指標の最大のポイントは、それぞれの数字に「移動平均」という考えを用いていることだと感じます。

 

これは事態の「トレンド」を掴むためにシンプルかつ効果的な手法で、弊社のチャート式試算表にも取り入れています。

 

例えば「経路不明の感染者数」のトレンドをつかむために単純な1週間の平均を取るのではなく、「5/1から5/7」「5/2から5/8」「5/3から5/9」というふうに、移動して(ズラして)平均を取るという手法です。

 

これでその範囲の中に突発的に数が伸びた日があっても、「比較にならない」という事態を回避できます。

具体的なイメージは下記の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私も、財務系やスタートアップ系のセミナーの時には移動平均の考え方について取り上げてきていた次第です。

 

企業においては、「H31.4~R2.3」「R1.5~R2.4」「R1.6~R2.5」というふうに年単位で客数、粗利益、人件費、どんな数字で移動平均をとっても有意義だと思います。

 

 

まだまだ大きな影響を受ける中ですが、経済は回さなければなりません。

 

粛々と経済を回し復活を期すにあたり、

・数値選定の仕方

・移動平均

の考え方が企業経営にも大きく参照できると思います。

 

5月5日 第15回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議

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特別貸付プラス雇用調整助成金

2020-04-07

テーマ:経営を守る情報

2月の下旬ころからコロナ対策で金融機関や他士業との連携でめまぐるしく対応する日々が続いております。

今年ほど桜がスッと心に入ってこない年はありません。

 

そして日本政策金融公庫の特別貸付の活用が急増しており、かなり錯綜している模様です。

制度としては政策公庫の方が優れているものの、着金までの時間は保証協会の方が

速やかな個人的印象があります。

 

5月には連休もあることから、ケースバイケースで政策公庫と保証協会を

使い分けるべきだと思います。

 

また、この環境下にあっても従業員を休業させるなどして雇用を守ることに対する助成金である

「雇用調整助成金」の支給率も最大「9/10」に引き上げられ、

こちらも多数のお問い合わせを頂いております。

 

この助成金に関しては、資金繰りへの影響が重大かつ申請が月々発生するので、

私どもで全て請け負うのではなく、

 

必要書類や受給可能額の目安が分かる簡易キットを作成してお渡しし、

自社で申請できるようになって頂くことが長期的にみて本質的と考えております。

 

まずはお客様から優先して簡易キットをお渡しし、

必要に応じてWeb面談で使い方をご説明して参ります。

 

いずれにしても注意すべきは、

例えば月給20万円の人に休んでもらったからその9/10の18万円が助成されるのではない点です。

 

あくまで会社全体での給与単価の9/10が支給されます。

そして助成金ですので原則は「後払い」です。

 

従って、まずが「特別貸付(一定期間据置き)」と「助成金活用」の両建て

対応するのが良いのではと考えています。

 

 

さらに、

 

税金の「予定納税」に関しても一時しのぎではありますが負担を軽くする方法がございます。

 

 

通常は前年の実績に基づいて「予定納税(税金の前払い)」の金額が自動的に計算されます。

しかし、予定納税ではなく「中間申告」という方法をとることも可能です。

 

これは今期の実績に基づいて仮決算を組むイメージで、あくまで今期の実績に基づいて納税額を計算します。

 

もし仮にコロナの影響で今期の業績落ち込みがあるならば、単純に前期実績に基づいた予定納税をするのではなく、今期の実績を反映した「中間申告」を選択して当面の資金流出を防ぐ手立ても有効かと思います。

 

その他にも生命保険の契約者貸付(多くの保険会社が無利息)、

国税の納税猶予や社会保険料の納付猶予なども総動員して対応が必要です。

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「お金の借り方」を考える機会に

2020-03-25

テーマ:経営を守る情報

 

日々目まぐるしくコロナ関連のニュースが駆け巡り、私どもの立場から見てもあらゆる業種に影響がでております。

 

喫緊の資金繰り等の対策においてまず真っ先に検討すべき5項目先週のメルマガでピックアップした通りとなります。 

 

その他にも生命保険各社においても、契約者貸付を無利子で実施しているところも10社程度ある模様で、着金までのスピードを考えると検討に値するものと思います。

 

第一生命

NN生命

大同生命

住友生命  

 

 

融資に関しても保証協会、政策公庫などで積極支援しているところですが、

それらセーフティーネットとは別に、

 

これを機に【短期継続融資】の活用を視野に入れるのも選択肢

 

かと考えています。

 

 

「融資」というと月々返済していくイメージですが、短期継続融資とは半年後もしくは一年後にまとめて返済するものです。

 

実際には返済期日が来た時には更新をし、利息のみを支払い続けるケースがほとんどです。

 

 

デメリット

「定期的な試算表の提出が必要になる」こと、

「期日の都度審査が入る」ことですが、

万が一更新できないとなればその時に通常の返済ペースに戻せば良いと思います。

 

 

どの企業でも利用できるものではなく、調達資金の目安としては

 

貸借対照表上の「売掛債権・在庫」から「仕入債務」を差し引いた部分

 

が大きい企業が優先となります。

 

 

実際に活用されている企業さまも少なくない制度ですが、

今一度、自社の試算表の作成スピード、貸借対照表の構造(売掛債権・在庫と仕入債務のバランス)を検証する機会を設けることが大切だと感じています。

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個人保証と「経営者保証ガイドライン」

2020-03-07

テーマ:経営を守る情報

 

弊社が新しく関与させて頂くこととなったお客様とお話ししていると、こんな話題になりました。

 

融資申し込みに必要だから試算表を、と会計事務所依頼してもなかなか出てこない。

丸投げしている自分たちにも非があるのかもしれない。

でも資料は定期的に渡していて、ついに出てきた試算表は9月分!(お話をお聞きしたのは12下旬)

 

お~、これはなかなかのタイムラグですね。

弊社でまず1月末までに12月分まで仕上げます。

その後の体制はじっくり打合せして構築しましょう。

 

というようなケース。

 

 

信じたくない話ですが、しかし中小企業実務ではよくあるケースでもあります。

 

 

そんな中、事業承継にスポットを当てた

 

「経営者保証に関するガイドラインの特則」

 

今年の4月から適用開始になります。 

 

 

事業承継の現場で

・経営者の個人保証が承継の阻害要因となること

・前経営者、後継者の双方から二重に保証が求められることが多いこと

を課題視して策定されています。

 

 

安易に二重徴求が継続してしまわないように下記の点に着目して総合的に判断し、保証が必要かどうか継続して適切に管理・見直しをすることが求められています。

 

 

1.法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されている。

 

2.法人と経営者との資金のやりとりが社会通念上適切な範囲を超えない。

 

3.法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断できる

 

4.法人から適時適切に財務情報等が提供されている。

 

5.経営者等から十分な物的担保の提供がある。

 

 

 

 

ガイドライン自体はあくまで「自主自律的」な位置づけですし、

今までも、恐らく金融機関ごとに独自にチェックリストを作成して管理をしていることとは思います。

 

 

しかし、「1」と「2」とは税務上も重要な論点ですし、

 

「4」に関してはまさに、出来るだけ早い段階で月次試算表が作成できる、

ということですので私どももお客様とともに体制構築を心掛けているところです。

 

 

試算表の金融機関への提供は毎月とはいかなくても3か月に一度程度で十分だとは思いますが、「資金調達」だけではなく「個人保証」という観点からも債権者側とのコミュニケーションの重要性が増しそうです。

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最近の利益圧縮策で根幹となりつつあるもの

2020-01-25

テーマ:経営を守る情報

 

資産を購入し、事業の用に供し、
その時に全額損金算入できる、
いわゆる「即時償却」

 

今残っている制度で即時償却が出来るものと言えば。。。

「経営強化税制」

になります。

 

これは、

・経営力向上計画を作成し、
・その中に即時償却を受けたい設備を記入し、
・その設備が最新モデルである証明書を取得し、
・向上計画の認定を受けて、
・実際に資産を購入

すれば、即時償却などの優遇措置を受けることが出来ます。

 

 

この即時償却は、その名の通り購入価格全額が
減価償却費として費用計上できますので
決算に与える影響が非常に大きなものとなります。

 

したがって決算における利益圧縮策としても根幹をなすもの、
となりつつあります。

 

注意点としては

・R3.3.31までの事業供用分まで
・計画認定⇒購入の流れが原則
・最新モデルであることの工業会等の証明書が必要
・計画書のひながたはこちらからダウンロード可能
(エクセルに項目を入力していけば計画書が自動作成されるスグレモノです。)

となります。

 

来年3月までで何らかの投資計画がある際は
前もって計画作成から始める必要があります。

 

実はこれ、一昨年の
「平成31年度税制改正」で期限が2年延長されたものとなります。

 

2月6日の税制改正セミナーでは、
今年分だけではなく昨年分の改正で、
これからの実務に影響する項目も盛り込んでおります。

 

ご予定をご確認くださいませ。

詳細

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最近感じた2つの流れ

2020-01-08

テーマ:経営を守る情報

 

今年元旦の日経新聞のトップ記事は

「逆境の資本主義」でした。

 

ちなみに過去の元旦トップ記事は

 

2019
つながる100億の脳 「人類」問い直す

 

2018
「溶けゆく境界」

 

2017‥
「当たり前」もうない

 

2016‥
目覚める40億人の力(インド俊英)

 

2015‥
変えるのはあなた

 

ここ数年は表現は違えど言いたいことはずっと同じことのような気がしております。

 

業界や国境、人種、情報、性別などあらゆるものが「溶ける」イメージでしょうか。

 

そこに昨今の貿易摩擦を念頭に置いて今回のテーマとなったように推察されます。

 

 

昨年末をもって融資の現場にも大きく影響していたであろう、
約20年続いた「金融検査マニュアル」が廃止されたと聞きます。

 

実務上の感覚でも、決算書など過去の数字だけに基づくのではなく、
「金融機関との対話」がますます重要になった感を持っています。

 

そのためには企業側も対話の前提となる資料
すなわち月次試算表の持つ意味が増してきます。

 

その上で

・対話を重ね、

・資金構造を改善しつつ

・業績を向上させ、

・自己資本比率を向上させる。

 

 

「資金構造の改善」の局面では金融支援が必要になり、そこで対話のできる企業は様々な提案を引き出せた感があります。

 

 

そしてもう一つが事業承継をきっかけとした「内部統制」の機運の高まり。

 

内部統制とは野球で言えば牽制球のようなもので、

・間違いの起こる余地はないか

・モレが起こる余地はないか

・不正の起こる余地はないか

・異常点をチェックできるか

をチェックできる体制づくりです。

 

これから事業を立ち上げようとしている経営者、もしくは経営者向けのセミナーではよくこの図を使います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

経営者を若葉にたとえ、その成長に不可欠な水。

経営において水にあたるのは「チェック」という行為です。

それくらい「チェック」は大事。

 

このチェックを

・会議であったり

・試算表であったり、

・業績関連の数値であったり

・面接であったり

・はたまた企業をとりまく「におい」であったり「カン」であったり

様々な媒体を通じて行わなければなりません。

 

 

「内部統制が完全に効いている」企業というのは上場企業とて皆無ではないかと思います。

言い換えれば永遠の追求テーマとなります。

 

今までの流れで「何とかなっていた」ので手を付けていなかったものの、

事業承継を機に企業としての態勢を再確認する機運が増えてきました。

 

そこでもキーになるのは月次試算表です。

・上がってくるのが遅いとすれば何が原因か

・精度が低いとすれば何が原因か

こういったことをコミュニケーションをとって検証していきます。

 

 

 

 

思えば、黒字決算割合が70%を超えている弊社でも、

お客様のほとんどが月次試算表は翌月に完成します。

 

企業としては当たり前といえば当たり前ですが、それでも中小企業の場合は試算表でのチェック行為がおろそかになるケースが往々にして出てしまいます。

 

この5年ほどで150件超のお客様の受入れをさせて頂いておりますが、

前会計事務所では月次試算表の上がりが遅かった、精度が低かったケースがほとんど。

 

 

月次試算表だけをとっても、何とかコミュニケ―ションをとって「カイゼン」の余地はたくさんあります。

 

何もかも「溶け出している」流れがあるからこそ原理原則通り月次試算表の価値をさらに高めていく必要を感じております。

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経費はどこまで認められるのか?

2019-11-06

テーマ:経営を守る情報

 

確定申告の時期をむかえるにあたり、

個人事業主にとって
「どこまで経費としていいか?」
というのは非常に興味のあるところです。

 

支出をおおまかに4つにわけると

 

1.100%事業用
2.大部分が事業用だが個人的要素あり
3.大部分が個人的要素だが事業用要素あり
4.100%個人用

 

になると思います。

 

「1」は仕入や事業用消耗品などで、疑問の余地を残しません。
「4」はいわゆるプライベート。

 

「2」「3」は合理的に按分できるか?というところがポイントになります。

 

例えばスーツ代。

 

仕事にしか使わないといくら言っても、
これは常識的にどう考えてもプライベートでも使えてしまいます。

 

大原則として

判断の前にまず「常識」が先立ちますので、スーツ代はどうしても「2」「3」「4」のいずれかに分類されてしまいます。

 

そうなると按分が出来るのか?という論点が発生し、
この点でもスーツ代は客観的な按分は難しいと思いますので
結果的には必要経費算入が厳しい、ということになるでしょう。
(按分するために信用に足る証拠を残していれば別です)

 

スーツと言っても、

芸能人が使うような、非常に煌びやかで個人的に使うことは常識的に難しくて、
しかも番組名が書いてある、というようなケースはもちろん部類は「1」になるかと。

 

反対に、

プロ野球選手が「体が資本」といって温泉やスパに療養に行った場合の費用は、
どうしても趣味娯楽の要素が先立ちますし、按分ができないので「4」
になると思います。

 

ゴルフプレー代をめぐっては国税不服審判所裁決で、

 

・内科医
・3年間で272回のゴルフ
・そのうち270回は年末年始や休診日に実施
・製薬会社や医師等と実施
・医療従事者との情報交換や意思疎通が目的
・ざっくり50%を経費算入

 

していたケースがあり、

 

・プレー頻度が頻繁であること
・ゴルフをしないと様々な情報収集ができないとはいえない
・仮に一部が事業に関連するとしても、事業とプライベートとを明らかに区分することが出来ない

 

という理由で経費性を否認されているケースが平成30年6月19日にあります。

 

個人事業(所得税法)の世界は特に、
常にプライベートと隣り合わせという特性がありますので頻度や内容を考慮に入れながら、

「按分」という概念を重要視して経費性を判断することが重要になります。

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103万の壁と130万の壁と150万の壁の違いとは?

2019-11-03

テーマ:経営を守る情報

 

「配偶者控除」を受けられなくなる、
いわゆる「103万の壁」というのをよく耳にします。

 

しかし実際は、

年収が103万をこえても配偶者については控除額(所得から引ける金額)がなくなって
税金が急激にアップすることはありません。

 

昭和63年に「配偶者特別控除」という制度がつくられており、
最高38万円の控除額が一気に0(ゼロ)になるのではなく、
徐々に0に近づいていく仕組みになっているためです。

 

その配偶者控除と配偶者特別控除が、
昨年分から大きく変更を加えられています。

配偶者控除等 新旧表
(別ウィンドウで開きます)

 

 

緑色の網掛けが「控除が増える」部分、
グレーの網掛けが「控除が減る」部分
になります。

 

 

夫婦共働きのケースで控除が増えることが
分かるかと思います。

 

 

そして、
「※1」が103万の壁と言われる部分。

しかし改正後は、103万円を超えたとしても
控除額はしばらく「38」万円で推移することが分かります。

 

 

「※3」が130万の壁と言われる部分。

これは社会保険の話で、
配偶者が130万円未満かつ
もう一方の配偶者の年収の1/2未満であれば、
社保の扶養に入ることができるものです。

 

 

「※4」は新たに出てきた150万の壁
と言われる部分。

控除の満額38万円を適用することができる限界値です。

 

 

ちなみに「※2」は、

社保の被用者数501人以上の企業にお勤めで
所定労働時間が週20時間以上などの要件を満たす場合は、
ご自身で社会保険に加入する義務が出ててくる境目です。

 

 

いずれにしましてもポイントは、

 

ご本人と配偶者、
【おふたりの所得の両面から判断しなくてはいけない】

 

という点になります。

 

 

年末調整はあくまで会社が所得税計算を「代行」するものであり、

従業員様からの自己の申告に基づき処理することとなりますので

今のうちからの周知が重要です。

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民間給与の実態調査結果

2019-10-16

テーマ:経営を守る情報

 

税理士法人あおばの松尾潤です。

 

先日、国税庁のホームページにて

H30年分の民間給与実態調査の統計結果が公表されました。

 

 

これはその名の通り、官公庁を除き、
「民間の」事業所に限った給与に関する統計です。

 

 

国家として税収の見積もりをする際にも用いられる統計情報であり、

事業規模や業種を限定することなく、広く一般的な標本を抽出して作成されており、
統計としては実態により近いのではないかな、と思っています。

 

統計ページ

 

様々な切り口から統計が作成されておりますが、
一番下欄の(参考)欄に非常に分かりやすい統計が載っています。

「一人あたり平均給与」として

 

正規社員の給与手当406万円
⇒月額33.8万円

 

正規社員の年間賞与97万円
⇒年間2.8か月分

 

(平均年齢46歳)

 

という結果のようです。

 

 

弊社も採用を活動を続ける中で、
業界の壁が崩れ人材が流動化している印象を最近はますます強くしております。

 

 

その中で給与条件などの発信の仕方には非常に気を揉みます。

 

 

余談のようで余談ではないのですが、
いま
「サピエンス全史」という書籍を読んでいます。

 

サピエンス全史

 

かなり有名な書籍ですのでお読みになられた方も多いとは思います。

 

 

人間が他の動物に比して

なぜ、

・圧倒的な優位性を
・圧倒的に短い期間で

築き、保つことが出来ているのか?

 

 

この本が言うには、

「虚構を信じる力」

なのだそうです。

虚構とは「作り上げられたこと」と言っていいと思います。

 

例えば

神社でもらうお札(おふだ)も、
普通の動物にとってはただの「紙」なのですが、

人間にとっては「神」の力の込められた有難いものと信じています。

 

ただの

紙であるお札に「意味」を込めることが出来るのが人間の本質、

とサピエンス全史は言っていると理解しています。

 

 

企業において「意味」とは

「理念」であり「経営の目的」というところになろうかと思います。

 

給与実態はあくまで参考とし、

 

人手不足・人材の流動化が進むからこそ、

人間の本来の力を見つめなおさないといけないな
と考える次第です。

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ソフトバンクG 納税ゼロの波紋

2019-08-21

テーマ:経営を守る情報

 

「ソフトバンクG 納税ゼロの波紋」
という記事が日経に載っていました。

記事

 

海外子会社からの配当については95%が非課税(益金不算入)となる制度を利用してのものですが、
これは何も法のスキマを縫うようなことではなく実務的にも出てくることです。

 

制度の目的は日本国内への資金還流です。

 

トランプ大統領も、アメリカ国内への資金還流を意図して就任時の税制改正でこれを導入しました。
いわゆるレパトリ減税といわれるもので、

それまでは

・アメリカ国内に還流させたらアメリカ国内所得と合算して課税
・でも還流させていなければ非課税

というものを改正し、

・アメリカ国外からの配当は100%非課税
・しかし配当(還流)させていないものに対しても例えば現金には15.5%で課税する

という改正を加えたもの。

 

効果は大きかったようです。

記事

 

ソフトバンクもこの制度で還流を受け、

今回はそこに経済合理性にもとづいた組織再編行為も重なった結果のことだと思われます。

 

 

国外で儲けを出し、国外で再投資をする限り、

企業業績がいくら良くても、日本国内でその豊かさをなかなか実感できない、。

これは近年ずっと言われ続けていることですね。

 

外で稼いだものをいかに国内に還流させ、
その資金でもって国内へ投資し、再び外へ売る。

 

よく言う
地産地消(地元のものを地元が消費する)も大切ですが、

 

地域経済を考えると、

地産外商(地元のものを外に売る)ことや、
地消地産(地元で消費されているものを地域外に頼るのではなく地元でしっかり生産する)ことも、

 

これから人口の減るこの国では大切になるな、と考えるきっかけとなった一件でした。

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節税の王道は税率の○○

2019-08-18

テーマ:経営を守る情報

 

今月に入り、

今年ご相談が増えたテーマってなにかな、と振り返っていますと、

 

やはり

・事業承継(とくに株の移転
・法人成り(個人事業を法人へ改変)

 

が挙げられます。

 

中でも株の移転に関しては
ほぼ毎日と言っていいほど話題に上ります。

 

株の移転とは必ずしも「節税」とイコールではなく、

まず取り組むこととしては

・税務上の株価の確認

・自身の相続シミュレーション

・名義株の整理

・株券発行会社でないかどうかの確認

・生前贈与の方向性(相続税と贈与税、どちらで払う方がいいか)

 

このあたりを整理してから「節税」というテーマが出てきます。

 

節税の王道は

「少ない金額を長期間で」

というのが大原則です。

 

そしてもう一つ、

「税率の固定」

という原理原則もございます。

 

例えば株を会社で買い取れば、

配当と同じで扱われ役員報酬と一括で累進課税の対象となり、

所得に応じて税率が上がります。

 

 

つまり、税率が固定されません。

 

しかし例えば

相続後に会社にて買い取る場合は、

要件を満たせば配当ではなく譲渡として所得税等が20.42%で固定されます。

 

その他にも(一長一短ありますが)

相続時精算課税制度で贈与税率を20%で固定することや、

 

法人税も税率はほぼ固定化されているといえますので、

 

グループ体制を見つめなおした結果、

株式や財産を法人に持たせ、

さらにホールディング化も視野に入れることもしばしばです。

 

その法人をめぐっては、

売上がだんだん増えてきたから、とか消費税があがるから、
という理由で急いで個人事業を法人にしたいというケースも少なからずありました。

 

私どもで対応させて頂くケースでは、
1年以上前から法人成りを検討するケースが多く、
必ず社会保険や役員報酬の事前シミュレーションをおこないます。

 

結果として社会保険料や事務的な負担に耐えられず、
法人を休眠させて個人に戻る、ということのないようにしなければなりません。

 

事業承継にしても法人成りにしても、
法人ができる、ということは別人格が出来るということであり、
自分の分身なり子供が出来るのと同じイメージです。

 

その分身なり子供に将来どうなってほしいのか、という想いをもとに、

事業承継や法人成りのご一族にとっての選択肢を検討していければと思っています。

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固定費削減の切り札か?

2019-07-21

テーマ:経営を守る情報

 

奈良県内の税理士・弁護士などの士業の先生方にお集まりいただいている

「奈良ASPO」。

 

 

急な呼びかけでしたが、お集まりを頂き、

「選択制確定拠出型年金」についてのミニ研修会を開きました。

 

 

給与の手取はほとんど変わらず、

節税でき。

社会保険料も節減でき、

運用益も非課税で、

受取時の退職所得として税制優遇。

 

 

メリットが圧倒的に多いにもかかわらず、

少なくとも従業員数100人以下の中小企業にはまったく浸透していないこの制度。

 

役員であれ従業員であれ、冷静になって給与明細を見ると、

天引き額の多くを占める「厚生年金保険料」。

 

基本的には掛けた金額を将来にわたって受け取る制度ですが、

現役世代の人間からすると、これだけ天引きされるのであれば自分で運用したい。

と思うのも当然のことと思います。

 

また、社会保険料は法人と折半して支払うため、

昨今の厳しい経営環境において社会保険料の負担は非常に大きいのも現実。

 

こういった状況に一助となるのが「選択制確定拠出型年金」であり、

メリットも非常に大きい。

 

・導入に手間がかかること。

(だいたい半年)

・60歳までは積み立てたものを引き出せないこと。

などとデメリットも当然あります。

 

 

しかし、メリットの方が圧倒的

老後資金が2,000万円不足する云々の話題も後押しになるのかもしれません。

 

 

中小企業に浸透しないのは、

「推奨する人間がいないから」というのが大きな理由として挙げられます。

 

導入費用も非常に安く、企業にとってはこの点もメリットなのですが、

 

それは裏を返せば推奨側には

・手間がかかって

・フィーが安い

ということにもなります。

 

 

お客様と継続的な関係性を築いている「士業」が推奨をやりませんか?

ということで企画しました。

 

遅ればせながら、

税理士法人あおばでも導入手続き中です。

 

今日ご参加頂いた士業の方だけでも、

 

税理士2名

弁護士2名

社会保険労務士2名

不動産鑑定士1名

行政書士1名。

 

その後の懇親会も、やはり違う専門領域の士業同士でお話をしていると驚くこともしばしばで、

 

やはり、

お客様の「経営を守る」ために、士業の壁を「溶かす」コンセプトの奈良ASPO

これからもお役立ちの道を追求し、輪を広げなければ、と感じた研修会でした。

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