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「栃木信用金庫に資本支援」のニュースから

2025-09-23

テーマ:税理士@松尾経営を守る情報

 

さて秋分。

太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる日。

 

山の辺の道のお気に入りの場所からのヤマト。

 

山の辺の道は奈良盆地の東の端にありますが、ここから西の端まで見通せます。

 

 

ものごとの物事の本質を理解するためには対義語を考えるとよいと聞きます。

たとえば、「争い」の対義語は「平和」ですし、「愛」の対義語は「無関心」です。

 

では「当たり前」の対義語は?

 

と考えると「有り難い(有り難し)」となります。

今⽉実は、⻑年にわたって「あおば」に多大なる貢献をしてくれた従業員の退職を迎えました。

そこにデスクがあり、お客様の要望に応え、他人の助けをし、後進に教えを授ける。

そこにその姿があることが「当たり前」と思って過ごしがちでしたが、本当にその存在そのものが有り難かったのだと思います。

身の回りの現実をただ当たり前と捉えることなく、感謝の心をもって臨んでいかないといけないと改めて思う次第です。

本当にお疲れ様。

 

一方で、偶然にも機を同じくして2回り以上も歳の違う若者も入社。

私自身、20代は試験勉強と社会勉強、30代は人脈づくりに明け暮れ、40代はバトンを渡す人づくりに明け暮れる。

そんな日々がもうしばらく続く見込みです、、、。(いま47歳。)

 

 

そんな中、少し気になるニュースがありました。

栃木信金が信金中金の資本支援発表 国債含み損「経営には影響なし」

 

株価は最高値を更新、不動産も価格高騰、新NISAにidecoで資産運用。

資産運用の面においては比較的明るいニュースが続いているような気がしますが、地域に密着した地銀や信用金庫の経営においては一概にポジティブな動きばかりではないようです。

 

栃木信金のニュースでは、

・金利ある世界の復活で本業では稼げており黒字を確保できている

・しかし保有する国債の含み損が自己資本を上回った

・この事態を受けて、信金中金が資金支援に踏み切った

ということです。

 

ポイントは2つではないでしょうか。

 

<ポイント1つめ>

日銀の利上げがほぼ規定路線の中、国債の金利が上昇、ということは国債の債券価格は下落しており、

それが金融機関の体力であるところの「自己資本」を傷つける事態が発生しているということ。

 

<ポイント2つめ>

信金中金というのは信用金庫が経営難に陥ったときに資金支援をする公の機関のようで、

今回のような含み損の場合は原則は支援することができないものの、

わざわざルールを改正してまで資金支援に踏み切ったということ。

 

さっそく奈良を地盤とする信用金庫さんのディスクロージャー資料で貸借対照表を確認しましたが、栃木ほどの心配はないように見受けられます。

 

しかし今後利上げが実現し、国債の価格が下落する傾向となると、栃木信金のように自己資本(経営の体力)が弱まり公的支援を必要とする地域金融機関が増えることも考えられます。

ただでさえ都市一極集中の影響で、相続などをきっかけに人口が地域から流出するにともない、地域の金融機関から預金も流出する傾向にあると聞きます。

預金が流出すれば、金融機関にとっては利益を稼ぐための「貸し出し」の元手となるキャッシュが減少することとなり、さらに収益を圧迫すると推察できます。

 

「国債価格の下落」による金融機関の財務への悪影響が、広く経済へ波及しないことを願うばかりです。

 

そしてこれからの経営においては、

人の採用に際しても、最低賃金の急激な引き上げや賃上げの必要性を考えるとより慎重に、

資金調達においても、調達金利の上昇や調達元の金融機関の経営状況、そして関係性の構築に、より気を配っていく必要があるように思います。

 

 

 

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