BLOG代表税理士 松尾ブログ

全損タイプの法人保険
2019-01-30
昨年末くらいからでしょうか。
こんな話題がチラホラとでています。
「全損タイプの法人保険 見直しへ」
・支払った保険料が全額損金となり
・10年くらいで解約すれば
・8割以上が戻ってくる
そんな保険は商品としての妥当性を欠く、
として金融庁から保険各社に適切な対応を求める声が上がっている、
とのことです。
保険料を上げるとか解約返戻金を下げるとかの対応が求められるわけで、
その改訂が入るのが「3月前後」という説があります。
もし正式に見直し決定があれば、2月くらいに保険各社による駆け込み販売が
予想されます。
そもそも、全損商品をなぜ販売するのか?
ということを考えた場合、「節税効果」が挙げられることが多いです。
あとあと戻ってくるのに損金になる、というのですから節税になると思いがちです。
ただ、
・決算間近になって、
・利益が出ていて、
・このままでは税金がかかる!
となった場合でも、私どもでは全損の保険商品をお勧めすることはありません。
理由は
・節税にならないから。
・手元キャッシュを守る必要があるから。
保険で節税という場合、有名な手法が
「解約返戻金が入るときに退職金を支給して節税」というのがあります。
これも、「退職所得控除」という税制面のメリットを活かしただけで、
退職金の支給財源さえあれば、
生命保険に入っているかいないかは節税効果に何の関係もありません。
個人版で有名な手法として
「保険料相当を贈与して相続対策する」という手法もあります。
これも、「一時所得」の計算構造を利用しただけです。
今後もし、この全額損金の保険商品について正式に見直しが入ったとして、
その上でもし、駆込み販売があったとしても
冷静に対処をしなければなりません。
保険には「節税」とは別のメリットがたくさんあります。
簡単に挙げると
・保障(当たり前ですが)
・課税の繰り延べ
(ただし単純返戻率が100%を超えない限り損失は発生。
その場合はその損失で保障を買ったと割り切る。。)
・遺言の効果を発揮する(遺産分割協議の対象にならない)
・保険料相当を贈与して受贈者に加入させる場合は、受贈者がむやみに使ってしまうのを防げる
・生命保険の相続税の非課税枠を使えば節税効果
・遺留分対策(事業承継の現場でこれから超重要になる)
私たちのミッションである「お客様の笑顔」のためには必要な手段であることは間違いありません。
だから単純に「保険で節税!」ではなく、
退職所得控除や一時所得、生命保険非課税枠などの税金の計算構造とセットにすることで
節税効果が生まれるのであり、
それって保険うんぬんではなく単なる税制上のメリット、
という事実は押さえる必要があります。
ふるさと納税の返礼品に税金はかかるの?
2019-01-27
テーマ: 経営を守る情報
昨年末に公表された税制改正大綱。
ふるさと納税についても改正が加えられています。
(抜粋)
返礼品を送付する場合は以下のいずれも満たすこと
・返礼割合を3割以下
・返礼品を地場産品とする
一時期、ニュースでも話題になりましたが、これが税制改正大綱にも
盛り込まれたということです。
個人的には自治体ごとの資金調達の手段なのだから、
上限まで設けなくても、とは思います。
また、松尾さんはふるさと納税してないんですか?
ってよく聞かれますが、
私は生まれ育った天理市に納税をしていたいので、
ふるさと納税はしていません。
また、納税する先を選ぶことなんて出来ない、
というのが今までの常識でしたが、
ふるさと納税が導入されて以来は、
納税額の一部を自分の意志で振り分けることが出来るという意味で
「税」の常識を覆した、と言えます。
で、返礼品をもらった場合は税金かかるの?
という疑問もあるかと。
結論から言うと「一時所得」になります。(汗)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/02/37.htm
一時所得の計算式は下記の通りで計算されます。
【総収入金額△(マイナス)収入を得るために支出した金額△特別控除額(最高50万円)】×1/2
控除額が50万円ありますので、返礼品の値打ちが50万を超えなければ問題ないでしょう。
ただ、
保険の満期金を受け取った!
みたいに他の一時所得がある場合にはそれらと「合算」して一時所得を計算しますので
注意が必要かと。
ふるさと納税をしたかどうかは確定申告書を見ればわかりますし。。。
ふるさと納税の改正は今年6月1日以降の寄付から適用です。
特に豪華な返礼品めあての寄付は5月末までに一種の「駆け込み」が
あるのかもしれませんが、その場合には「一時所得」にもご注意を。
税制改正セミナーのお申し込みはこちらから。
どなたでもご参加頂けます。
中古車を買うならなぜ4年落ちがいいのか
2019-01-23
テーマ: 経営を守る情報
中古車を買う場合、償却を少しでも早く、と意識なさるなら
「4年落ち」にして下さいね、
と申し上げることがあります。
基本的なことですがそこには理由があって、
「中古資産の簡便法による見積耐用年数」という扱いがあります。
・法定の耐用年数から、新品からの経過年数を差し引く
・新品からの経過年数×20%
・合計する
という計算式で成り立ちます。
具体的に当てはめると、
・乗用車の法定耐用年数は 6年
・経過年数 4年(4年落ち)
とします。
この車の耐用年数は
・法定の6年から4年を差し引き
・4年×20%
⇒2.2年
1年に満たない場合は切り捨てますので
耐用年数は最短の「2年」で償却できます。
これがもし経過年数3年(3年落ち)だったとすると、
・法定の6年から3年を差し引き
・3年×20%
⇒3.6年
となってしまい、3年で償却ということになります。
耐用年数が2年より短くなることはないので、
つまりは新品から4年以上経過している車であれば、
最短の2年で償却ができるということです。
ではなぜ、耐用年数2年だったらいいのか?
⇒償却率が「1」だからです。
例)4年落ちの車を100万円で買ったとします。
事業年度は「2019.1.1~2019.12.31」。
①2019年6月に買ったとき
100万円×「(償却率)1」×「当期に属する月数7か月÷12か月」=約58万円
・・・残り42万円を次の期で償却。
②2019年1月に買ったときは
100万円×「(償却率)1」=100万円・・・つまり全額損金
期の早いうちに買えば全額損金もあり得て、
最大でも2期で償却し切ってしまいます。
減価償却は手元キャッシュと帳簿上の利益との差が生じる大きな要因です。
その差を少しでも埋める、つまりキャッシュの流出と損金計上額との差を最小限にするためには
必要な知識かと思いますのでご参考にして頂ければと思います。
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