BLOG代表税理士 松尾ブログ

なにせなアカン?消費税10%-⑥税込み表示か税抜き表示か?
2019-03-13
軽減税率が導入されると
出前の場合(8%)と店内飲食の場合(10%)とで
消費税率が変わってきます。
⇒参考「軽減税率について」
https://aoba-atm.com/archives/matsuo_blog/1839
その場合にメニュー表示はどうしたら?
という論点もありますが、
その前にそもそも、
税込み表示か
税抜き表示の
どちらにしたらいいの?
ということを考えなければなりません。
結論から言うと
「税込み表示が原則」です。
これは10%になる前から変わることのいない原則です。
しかし、
・2021/3/31までは、
・税込み金額と誤認しない措置を講じている場合に限って
税抜き価格によることができます。
たとえばこんな感じに。
結局ナンボやねん。。。
税抜き表示オッケーなのは、
いわゆる「転嫁対策法」による特例です。
転嫁対策法のポイントは3つ。
①代金を払う側
当たり前ですが、
「消費税分は払わない」とか、「消費税が上がった分は払わない」はNGという点。
②代金をもらう側
「消費税分はいただきません!」
「消費税分還元セール」
「税率アップ前に今だけオトク」といったふうに、
「値引きと消費税」とを結び付けるのはNGという点。
➂税抜き表示も可能、という点。
これはいままで記載してきたとおりです。
価格表示は税抜き表示のみにしておいて、
店内に「当店の価格は全て税抜きです」と表示しておくことでもOKです。
いずれにせよ、
税抜き表示はあくまで2021/3/31までの特例です。
「税抜きで99円」というのが使えなくなります。
消費は心理からくるもの。
メリハリの効いた価格設定がより求められます。
次回は「税込みか税抜きか」という論点から進んで、
「軽減税率と標準税率をどう表示するか」という論点に
うつって、もう少し価格表示の具体例を挙げていきます。
なにせなアカン?消費税10%-⑤簡素な区分経理とは?
2019-03-10
軽減税率が導入されると税率ごとに区分して経理する必要があり、
そこには特例も用意されているのは前回まとめた通りです。
⇒https://aoba-atm.com/archives/matsuo_blog/1859
2019/10/1から2023/9/30までの4年間は、
簡素な方法での区分経理が認められており、
「区分記載請求書等保存方式」といいます。
ちなみに、その後は「インボイス方式」へと移行します。
今回はまずは「区分記載請求書等保存方式」とは?について。
今後の流れとイメージはこの図のとおり。
・軽減税率の対象であるということ
・税率ごとの税込金額
を領収書や請求書に区分して記載する必要があるということになります。
区分する表示方法は3通り。
①軽減税率の対象に※などの印(しるし)をつける
②1枚の請求書の中で税率ごとに小計をつける
➂税率ごとに請求書をわける
いずれの場合も、税率ごとに「税込金額」が記載されている必要があります。
例えば
自分のところは軽減税率対応したけど、相手方がまだ対応しておらず、不十分な領収書を受け取った場合は?
⇒受け取った側で追記します。
例えば
軽減税率の対象がない取引の場合は?
⇒今までと同じ形式で発行してOK
例えば
飲食店における仕入れなど、受け取った請求書のすべてが軽減税率の対象の取引だった場合は?
⇒軽減税率の対象である旨の記載が必要です。
もしくは「全品が軽減税率対象」などと一文を加えることでもOKです。
例えば
消費税を納める必要のない免税事業者は区分記載請求書・領収書を発行する必要はあるの?
⇒それらを受け取る相手方で区分経理をしますので免税事業者であったとしても発行は必要です。
次回は「税抜きで」価格を表示できる期限の終わりについて
なにせなアカン?消費税10%-④区分経理できない事業者への特例
2019-03-06
消費税率アップに向けて、
・スケジュール
⇒https://aoba-atm.com/archives/matsuo_blog/1818
・10/1以降も8%が強制される「経過措置」
⇒https://aoba-atm.com/archives/matsuo_blog/1822
・軽減税率
⇒https://aoba-atm.com/archives/matsuo_blog/1839
をまとめてきました。
軽減税率が導入されると、
10%、8%と税率ごとに区分して経理する必要が出てきます。
手間が増えます。
しかし、区分経理することが出来ない中小企業には特例が設けられています。
「中小企業」というのは、
基準期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者です。
「基準期間」というのは、
個人事業者は「前々年」
法人については「前々事業年度」となります。
ちなみに前々事業年度が1年未満の場合は、
「その事業年度開始の日(2019/4/1)の二年前の日(2017/4/2)の前日(2017/4/1)から同日以後一年を経過する日(2018/3/31)までの間に開始した各事業年度を合わせた期間」
となります。
(日付は分かりやすくするための例)
前々年の消費税のかかる売上が5,000万円以下の場合の特例と捉えればいいと思います。
〇まず、売上に対する特例
①税込売上の合計額
②全体のうちに軽減税率の対象売上の占める割合
・仕入れに占める割合(卸売。小売業者のみ)
・10営業日の割合
のいずれかの割合を用います。
①×②で得られた金額が
「軽減税率による売上」とみなすことが出来る、ということです。
・仕入れに占める割合
・10営業日の割合
も分からない、かつ、主として軽減税率の対象品目を扱っている場合は
ざっくりと「50%」という割合を用いることもできますが、あくまで最終手段です。
売上に対する特例は
「2019/10/1~2023/9/30」までの4年間です。
〇そして、仕入に対する特例
売上を税率ごとに区分は出来るが
仕入を税率ごとに区分できない
卸売・小売業者に対する特例です。
この場合は
①税込仕入の合計額
②売上全体のうちに軽減税率がいくらあるかという割合
①×②で得られた金額が
「軽減税率による仕入」とみなすことが出来る、ということです。
仕入に対する特例は
「2019/10/1~2020/9/30」の属する課税期間の末日まで、です。
売上に対する特例よりも期間が短いので要注意。
消費税は基本的に、
「売上とともに預かった消費税」
から
「仕入とともに支払った消費税」
を控除することで納税額を計算します。
このうちの後者、
つまり「仕入とともに支払った消費税」については厳格な管理が求められます。
消費者から預かっている消費税は、事業者を経由して納税されるべきですが、
そこから控除するのですから、
「仕入とともに支払った消費税」について特例があるものの要求が厳しい、
というのは当たり前と言えば当たり前です。
それがどうしてもできない、という場合には
「売上とともに預かった消費税」のみで納税額を計算する
「簡易課税方式」を選ぶこともできます。
仕入に対する特例で出てきた
「2019/10/1~2020/9/30」の属する課税期間については、
その課税期間が終わるまでに届出書を提出すれば
簡易課税方式を選択できます。
(最低2年間の継続適用が必要)
以上のような特例はありますが、
仕入に係る消費税を管理する必要があるのですから、
実務上は恐らく、
仕入に係る消費税を区分して管理する態勢ができてさえしまえば
売上に係る消費税も管理できるケースがほとんどかと思います。
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