BLOG代表税理士 松尾ブログ

「ミント」に出演させて頂いたのはいいのですが。。。
2019-09-18
テーマ: セミナー報告
軽減税率について解説してほしい、
とのことで
毎日放送の「ミント」という番組に出演させて頂きました。
学べば学ぶほどにその異様さが浮かび上がるのが軽減税率の世界。
原則は
・お酒以外の飲食料品の譲渡
・定期購読の新聞
が軽減税率(8%)の対象になります。
しかし、それを現実社会に落とし込むと、
・定期購読の紙の新聞は8%
・コンビニで紙の新聞を買うと10%
・電子版は10%
と異様なことに。
今回話題に上がった「おせち」をめぐっては、
・ガンダムおせちは8%
・ミニオンおせちは10%
・くまモンおせちは8%
と???の有り様です。
それぞれキャラクター柄の重箱に入れられた1万円以上する高額商品で、
同じ「おせち」なのに適用される税率が違うのでさっそく混乱を招いているそうです。
何が違うかというと、
ポイントは、ミニオンおせちには「保冷バッグ」がついていること。
「おせち」という食品と、「保冷バッグ」という食品以外のものが
セットで売られている(一体資産)というとらえ方となり、
純粋に食品じゃないよね、ということで10%が適用になります。
「一体資産」となれば、
・税抜対価が1万円以下
・食品に係る部分の占める割合が3分の2以上
の2つの要件を満たさない限り、10%となります。
(2つの要件を満たせば8%)
先ほどの10%のおせちのケースでは、
・おせち+保冷バッグのセットで20,000円だとすると、
⇒税込み22,000円(10%)
仮にこれを、
・おせち19,000円、保冷バッグ1,000円と別建て表示していると
⇒税込み21,620円(保冷バッグのみ10%で21,620円)
と税抜きでは同じ20,000円でも、消費者にはお得になります。
・セット販売にしているか
・セット価格かどうか
がポイントになります。
その他、
「軽減税率はいつまで?」
というご質問もありますが、
軽減税率はキャッシュバック制度とは違い、恒久措置です。
最終的には個別ケースごとに判断するしかなく、
特に10,000円をこえる飲食品の高額商品の
扱いがある方は十分な注意が必要です。
いま使えるお金はどれくらい?って時のよりどころ
2019-08-28
テーマ: 決算書の見かた
先日、
「松尾さん、こんど真剣に財務の相談をしたいんだけど。。。」
というご連絡を頂きました。
「え?真剣ってなに?今までも結構話してきたけど、、、」
と思いつつ実際にお話しを聞いてみました。
要は、
自分(社長)としては今いったいいくら使えるのかを知りたいのに
経理から上がってくる情報を聞いても、いろいろ数字を並べられて
結局分からない!ということでした。
試算表をもとに
今のところ利益はこれだけしか出ていなくて、
でも減価償却はこれだけ計上しているからどうで、
減価償却は最近買った資産が定率法だから今期は多めに計上されていて、うんぬん。
要は損益計算書(P/L)の情報ばかりが経営者のところに上がってきているようです。
これは、われわれ税理士事務所のご指導不足。
経理部門はただ単に情報を処理する部門ではなく、
情報を発信する部門でなくてはなりません。
処理ではなく、発信。
その発信の仕方を私どもの方でご案内し切れていなかったと反省。
損益計算書(P/L)はいわば成績表で、
期間が過ぎればリセットされるものです。
流れ星のごとく、たとえ利益が出た期があっても、通り過ぎて消えてなくなります。
一過性の成績表ではなく
財布の中身(貸借対照表(B/S))を見なくてはなりません。
➀総資産をみて会社の全財産をつかみ、
②その資産のうち現金・換金性の高い財産をつかみ、
➂反対に、負債のうちすぐ払わないといけない負債をつかみ、
➂そこでようやく損益計算書を見て固定費(人間でいえば生活費)をつかみ
投資可能額を割り出します。
そこから融資に頼らないといけない金額も見える化できます。
BS⇒PLの順でみましょう、ということで事なきを得ました。
他にセカンドオピニオンで受件したケースであったのは、
部門別管理をしているケース。
10個ほどの部門に分けて部門別管理をされています。
売上を部門別に分け、
原価を部門別に分け、
人件費も固定費も(見た目は)きれいに部門別に分けて
部門別の利益を表示されていました。
で、各部門の責任者から不満が噴出しているケース。
人件費や固定費の分け方に公明正大さがないのが原因です。
いや、「公明正大に」部門別に経費を割り振ることは不可能です。
というより細かく分けだすとキリがありません。
人に関し、その企業様は、ある部門専属の人間はわずかで、
一日のうちこの部門の仕事もし、他の部門の仕事もし、、といった具合。
経理としては相当労力をかけて部門別に仕分けしているものの効果は少ない、
という非生産的な結果となっていました。
で、今期からは人件費と固定費は部門別管理をやめることとしました。
売上から原価を差し引いた「粗利益」をまずは管理していく方針です。
会社によってテーマはさまざま。
解決には「数字」が必要です。
数字の読み方と使い方の重要性がますます増している感があります。
マネジメントレポートが自動出力される機能を備えた
会計ソフトがどんどん増えています。
見た目はグラフできれいでも、きれいでおしゃれなだけでは意味がありません。
そこから「シグナル」を見つけ出す定期的な財務ミーティングこそ重要です。
AIには「一緒に考える」ということはできませんから。
ソフトバンクG 納税ゼロの波紋
2019-08-21
テーマ: 経営を守る情報
「ソフトバンクG 納税ゼロの波紋」
という記事が日経に載っていました。
⇒記事
海外子会社からの配当については95%が非課税(益金不算入)となる制度を利用してのものですが、
これは何も法のスキマを縫うようなことではなく実務的にも出てくることです。
制度の目的は日本国内への資金還流です。
トランプ大統領も、アメリカ国内への資金還流を意図して就任時の税制改正でこれを導入しました。
いわゆるレパトリ減税といわれるもので、
それまでは
・アメリカ国内に還流させたらアメリカ国内所得と合算して課税
・でも還流させていなければ非課税
というものを改正し、
・アメリカ国外からの配当は100%非課税
・しかし配当(還流)させていないものに対しても例えば現金には15.5%で課税する
という改正を加えたもの。
効果は大きかったようです。
⇒記事
ソフトバンクもこの制度で還流を受け、
今回はそこに経済合理性にもとづいた組織再編行為も重なった結果のことだと思われます。
国外で儲けを出し、国外で再投資をする限り、
企業業績がいくら良くても、日本国内でその豊かさをなかなか実感できない、。
これは近年ずっと言われ続けていることですね。
外で稼いだものをいかに国内に還流させ、
その資金でもって国内へ投資し、再び外へ売る。
よく言う
地産地消(地元のものを地元が消費する)も大切ですが、
地域経済を考えると、
地産外商(地元のものを外に売る)ことや、
地消地産(地元で消費されているものを地域外に頼るのではなく地元でしっかり生産する)ことも、
これから人口の減るこの国では大切になるな、と考えるきっかけとなった一件でした。
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