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法人の「必要保障」の考え方

2019-07-15

テーマ: 経営を守る情報

 

法人保険をめぐる税制改正によって、

これからの法人保険は

・保障
・福利厚生プラン
・倒産防止共済

が主流となるのではないかとお伝えさせて頂きました。

 

⇒参考ブログ:いわゆる「節税保険」の取り扱いが決着

 

取扱い改正後も半額損金が維持される「福利厚生プラン」についてもパブコメにおいて「今後も引き続き注視する」とのことですし、

医療保険の名義書き換えプランも駆け込みが予想されるところです。

 

しかしまずは王道である「保障」目的の保険についての基本的な考え方をおさえる必要があります。

 

よく、「個人でもう入っているから」ということも言われます。

 

この点については

 

個人で入る死亡保障
⇒遺族のためのもの

 

法人で入る死亡保障
⇒会社のためのもの

と切り離して考なければなりません。

 

 

法人設立をお考えのご相談者さまに、

「会社は自分の子供がもう一人できるようなものです」と申し上げることがしばしばです。

 

 

「会社」という子供のための保険、

人間である自分の子供のための保険、

これを分けて考えるのは当然のことです。

 

 

「会社のための保障」という点を財務の視点からもう少し細かく分類すると、

 

・借入金や買掛金などの負債からキャッシュ量を差し引いたもの

・固定費の6〜12か月分

(上記2点は法人税の課税を加味する必要があります。)

・退職金資金

 

これらを今、会社で準備できていない部分を保障でカバーするのが基本的な考え方です。

 

この点は会社の

 

・損益計算書
・貸借対照表
・役員報酬の水準と在任年数

 

などから判断していくこととなります。

 

今回の改正を受けて、私のところにもさっそく様々な保険商品情報が舞い込みますが、

まずは今回の改正を機に保険本来の効用である保障が担保されているかどうかの確認が必要かと思います。

 

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令和元年7月。再スタート。

2019-07-10

テーマ: 税理士@松尾

 

毎年恒例の7月1日。

経営計画発表会。

 

奈良に戻って10年目。

税理士事務所に身を置いて20年目。

個人的にそういった節目にもあたる年。

 

委員会やユニット(課)を入れ替えて臨むこととしました。

 

経営計画発表会をし始めてから6年ほどが経つと思います。

 

その間、新しいお客様との出会いは200件近くになると思います。

 

とにかく

多面的に

長期的に

根本的に

専門知識を用いて考え、

それを、わが社独自の伝え方で分かりやすくご提供する。

 

チャート式決算書

 

そしてとにかく発信をする。

第二木曜日に設定して平成20年から始めた「あおばセミナー」だけでも99回目を迎えようとしています。

 

第99回あおばセミナー

 

 

有難いことに培うことが出来てきた信頼と実績をもとに、

今年を節目として、3年でもなく5年でもなく、

4年計画の最初の年としました。

 

 

尊敬する、資産税専門税理士の三瀬からも計画発表。

 

 

全体的な発表は弊社第3代代表の南谷から。

 

 

会社規模はわが社とは比べ物にならないですが、

かのトヨタ自動車が今、これほどまでに危機感を募らせている根源は、

Maasやカーシェアリングが普及するとクルマ需要が劇的に減る、というところにあるように思います。

 

⇒参考ブログ:トヨタと向き合う

 

私どもの業界でも、かつては弥生会計を買収したライブドアが税理士法人を立ち上げたりと、

これからも激震がどこから来るか分かりません。

 

 

そんな時代を生き抜き雇用を守り、お客様とその地域に価値提供をし続けるために

選んだテーマは「進化」。

 

進化とは、

ステル

アラタメル

アタラシクスル

ことであると共有しました。

 

そこから出てきた期間である「4年」という時間軸。

 

くしくも、

税理士法人あおばの初代代表である池田が立ち上げに深くかかわった

近畿青年税理士連盟奈良支部も創立50周年。

 

 

光栄にも記念式典の司会をさせて頂くこととなり、

何かご縁と義理を感じ、こちらも全力で全うしてまいりました。

 

 

わたくしは池田と面識はございませんが、

同族関係で経営承継をしていない税理士法人あおばだからこそ分かる、

「お客様の経営を守る」という精神性。

 

 

進化。

 

変わるもの。

変わらないもの。

変えてはならないもの。

 

令和元年7月。

再スタート。

 

 

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節税保険?の取り扱いが決着

2019-07-03

テーマ: 経営を守る情報

 

いわゆる節税保険は節税にならない

ということを昨年ブログにアップしました。

 

全損タイプの法人保険 見直しへ

 

 

そして先週の金曜日(6月28日)、

 

・解約返戻率が高くて
・損金性も高い、

 

節税保険(?)の今後の取り扱いが決着しました。

 

・解約返戻率ピークが50%超70%以下の商品

⇒一定期間、40/100を資産計上(60%損金)

 

・解約返戻率ピークが70%超85%以下の商品

⇒一定期間、60/100を資産計上(40%損金)

 

・解約返戻率ピークが85%超の商品

⇒最低でも10年間は、ピーク返戻率の90/100を資産計上(損金性ほとんどなし)

 

となります。

 

 

適用は7月8日以降の契約が対象ですので既契約には影響はありません

また、すでに保険各社は販売をストップしているので駆け込み販売もほとんどないかと思います。

 

 

そしてもう一つの論点であったのは、
短期払いのがん保険。

 

これは

・解約返戻金がなく
・短期間のうちに保険料払い込みを完了させた
・終身タイプがん保険

 

は、支払の都度損金算入できるという「例外的取扱い」のゆくえ。

 

短期のうちに払い込んでしまって(もちろん全額損金処理)、

個人へ契約者変更する(法人から個人へのプレゼント?)、というスキームが用いられてることがあります。

 

会社に損をさせる、という意味で会社の財務は痛めます

 

 

で、これは10月8日以後の契約から、一被保険者あたり同種の年間保険料が30万円以下である場合に制限されました。

 

「一被保険者」あたりですので、保険会社を問わず被保険者の合計額で判断することになります。

 

ここを10月8日以後にしたのはまだ販売が続いているからでしょう。

 

 

したがってこれからの法人保険は、

 

・保障

 

・規定をつくって被保険者を各人にするなど手間はかかるけれど、今後も1/2まで損金にできる、いわゆる「福利厚生プラン」

 

・倒産防止共済

 

が主流となると思われます。

 

パブリックコメントでは、福利厚生プランについて「引き続き注視する」旨のコメントがありますので要注意。

 

 

個人的には、最近やはり「事業承継」関連で個人保険を活用するケースが増えてきています。

 

・生前贈与

・遺留分対策

 

がそれです。

 

 

あとは、今まで全損処理してきた保険の解約返戻金がピークになるタイミングで、

解約した時に発生してしまう「益金対策」に悩まされるケースも増えることが予想されます。

 

 

今までは、

ピーク時に解約し、その時に益金が発生してしまうのでまた全損の保険に入りなおす、

という延々と続くイタチごっこのようなケースもあったようですがそれは使えなくなります。

(入りなおすときには年齢が上がっているので条件は絶対に不利になります。)

 

 

損金をつくるとすれば、

設備投資の予定があるのでしたら「経営力向上計画で即時償却」が最も効果的かと。

ただし、令和3年3月31日までの設備投資には限られます。。。

 

 

いずれにしても「節税保険」という販売フレーズに左右されず、保険の本来の効用に着目した活用が根付く後押しにはなりそうです。

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