BLOG代表税理士 松尾ブログ

松尾ブログ

経費はどこまで認められるのか?

2019-11-06

テーマ: 経営を守る情報

 

確定申告の時期をむかえるにあたり、

個人事業主にとって
「どこまで経費としていいか?」
というのは非常に興味のあるところです。

 

支出をおおまかに4つにわけると

 

1.100%事業用
2.大部分が事業用だが個人的要素あり
3.大部分が個人的要素だが事業用要素あり
4.100%個人用

 

になると思います。

 

「1」は仕入や事業用消耗品などで、疑問の余地を残しません。
「4」はいわゆるプライベート。

 

「2」「3」は合理的に按分できるか?というところがポイントになります。

 

例えばスーツ代。

 

仕事にしか使わないといくら言っても、
これは常識的にどう考えてもプライベートでも使えてしまいます。

 

大原則として

判断の前にまず「常識」が先立ちますので、スーツ代はどうしても「2」「3」「4」のいずれかに分類されてしまいます。

 

そうなると按分が出来るのか?という論点が発生し、
この点でもスーツ代は客観的な按分は難しいと思いますので
結果的には必要経費算入が厳しい、ということになるでしょう。
(按分するために信用に足る証拠を残していれば別です)

 

スーツと言っても、

芸能人が使うような、非常に煌びやかで個人的に使うことは常識的に難しくて、
しかも番組名が書いてある、というようなケースはもちろん部類は「1」になるかと。

 

反対に、

プロ野球選手が「体が資本」といって温泉やスパに療養に行った場合の費用は、
どうしても趣味娯楽の要素が先立ちますし、按分ができないので「4」
になると思います。

 

ゴルフプレー代をめぐっては国税不服審判所裁決で、

 

・内科医
・3年間で272回のゴルフ
・そのうち270回は年末年始や休診日に実施
・製薬会社や医師等と実施
・医療従事者との情報交換や意思疎通が目的
・ざっくり50%を経費算入

 

していたケースがあり、

 

・プレー頻度が頻繁であること
・ゴルフをしないと様々な情報収集ができないとはいえない
・仮に一部が事業に関連するとしても、事業とプライベートとを明らかに区分することが出来ない

 

という理由で経費性を否認されているケースが平成30年6月19日にあります。

 

個人事業(所得税法)の世界は特に、
常にプライベートと隣り合わせという特性がありますので頻度や内容を考慮に入れながら、

「按分」という概念を重要視して経費性を判断することが重要になります。

いいね 1
読み込み中...

103万の壁と130万の壁と150万の壁の違いとは?

2019-11-03

テーマ: 経営を守る情報

 

「配偶者控除」を受けられなくなる、
いわゆる「103万の壁」というのをよく耳にします。

 

しかし実際は、

年収が103万をこえても配偶者については控除額(所得から引ける金額)がなくなって
税金が急激にアップすることはありません。

 

昭和63年に「配偶者特別控除」という制度がつくられており、
最高38万円の控除額が一気に0(ゼロ)になるのではなく、
徐々に0に近づいていく仕組みになっているためです。

 

その配偶者控除と配偶者特別控除が、
昨年分から大きく変更を加えられています。

配偶者控除等 新旧表
(別ウィンドウで開きます)

 

 

緑色の網掛けが「控除が増える」部分、
グレーの網掛けが「控除が減る」部分
になります。

 

 

夫婦共働きのケースで控除が増えることが
分かるかと思います。

 

 

そして、
「※1」が103万の壁と言われる部分。

しかし改正後は、103万円を超えたとしても
控除額はしばらく「38」万円で推移することが分かります。

 

 

「※3」が130万の壁と言われる部分。

これは社会保険の話で、
配偶者が130万円未満かつ
もう一方の配偶者の年収の1/2未満であれば、
社保の扶養に入ることができるものです。

 

 

「※4」は新たに出てきた150万の壁
と言われる部分。

控除の満額38万円を適用することができる限界値です。

 

 

ちなみに「※2」は、

社保の被用者数501人以上の企業にお勤めで
所定労働時間が週20時間以上などの要件を満たす場合は、
ご自身で社会保険に加入する義務が出ててくる境目です。

 

 

いずれにしましてもポイントは、

 

ご本人と配偶者、
【おふたりの所得の両面から判断しなくてはいけない】

 

という点になります。

 

 

年末調整はあくまで会社が所得税計算を「代行」するものであり、

従業員様からの自己の申告に基づき処理することとなりますので

今のうちからの周知が重要です。

いいね 0
読み込み中...

創業スクール

2019-10-30

テーマ: セミナー報告

 

10月20日。

 

「天理創業スクール」にて講演をしてきました。

たぶん今年で5年目。

 

 

 

 

 

 

 

 

起業間もない、もしくは起業をお考えの皆さまに

「スタートアップと財務会計」について。

 

財務の読み方

財務の使い方

収支計画の立て方

資金調達のしかた

節税

青色申告と白色申告

税理士の使い方

企業の価値

など

 

様々な論点をひとまとめにしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このスクールは日曜日開催でしかも丸一日実施、

というのに毎回熱心に受講され、本当に感服致します。

 

 

反応を見ながら毎回テキストをブラッシュアップしいったんコンパクトにまとまった気がしますし、

もう5年目ですので、

違う価値観をお伝えする意味でも今後は別の方が担当された方がいいのかな、

と思ったりもします。

 

 

いずれにしても、

世の中には

・変わるもの

・変わらないもの

・変えてはならないもの

があるのであって、

 

地方の経済の根幹を「雇用」の側面から担っているのは

地域に根付く中小企業。

これは変わらない事実。

 

 

中小企業の営む「事業」がここから生まれ、

そこに少しでも貢献できることに有難く感じます。

 

「事業」を生み出そうとされている受講の皆さまに敬意をこめて。

いいね 1
読み込み中...
最近の記事
テーマ
月別