税理士松尾ブログ
借入しても資金繰りが厳しくなるケース
2024-10-07
テーマ:セミナー報告
コロナ融資に加え、その後も追加・追加、で複数の新規融資を受け続けた結果、かえって月々の返済負担が大きくなり、そういった金融機関の姿勢に疑問を感じることがあります。
さらにそれが事業承継時点で残っていたりすると、継ぐ側にもその返済ペースが重くのしかかります。
金融機関側としては、制度融資で金利が安いから、とか、〇〇万円なら早めに手続きできるから、、、といった理屈があるようですが、本数を増やすと、借りた直後はいいものの、やはり後々になって企業側の資金繰りは悪化してしまいがちです。
そしてすでに本数が多くなっていた場合に何本かを一本化(借換え)するときは、その借換えの意義を表現するため、借換え前と借換え後の資金繰り表を作成するのが実務的なポイントです。
しかしまずは、本数を極力増やさないという心がけ、
そして、
・メインバンクであることの認識を自社と金融機関とで一致させる
・メインバンクであることの認識を債権者間(金融機関どうし)で一致させる
その上でメイン行に対しては適切な情報開示をしてコミュニケーションを取っておく、ということが重要だと思われますので、もし新規融資の申し出があったような際には、メイン行でなければ基本的に不要の方向、次に借換えの方向で実行して頂ければと思います。
そういった原理原則や、旬な情報をお客様にお伝えするためにあおばセミナーを開催しています。
次回(10月17日(木))は「ホールディング経営のポイント」。
中小企業でも導入が増えてきている親会社・子会社形式での経営形態、いわゆるホールディング経営のポイントを具体例をまじえて取り上げます。
かつては、
・アメーバ経営
・事業部制
・カンパニー制
など、様々な経営形態がありました。
ホールディング経営が中小企業でも導入がはじまったきっかけは税制改正にあります。
・兄弟会社だったものを親子会社にする
・子会社をつくる
・新しく親会社をつくる
その際、資産負債も移転する際は、譲渡(株や関係資産の売買)と考えて課税関係が発生するのが原則ですが、
一定の条件をもとに、ホールディング化の時に課税関係を生じさせない(繰り延べる)税制改正が入り、一気にホールディング化が進むことになります。
当然ですが、ホールディング化することが目的にはありませんので、
・ホールディング化することで得られる効果
(経営と株主の分離、教育効果、株価抑制)
・ホールディング化に向いている状態
(多業種展開、後継者の状況、予算管理が習慣化されている等)
を深掘りしていければと思います。
今後は、「株主=経営者=同族関係者」とはならないケースが増えることも考えられますので、予備知識としても位置付けて頂ければと思います。
日時は10月17日(木)16:00~16:50、場所は奈良県コンベンションセンター101会議室、ハイブリッド形式で開催します。
お客様向けですのでお申込みの書類は今月発行のの弊社会報誌に封入しておりますのでご確認頂けますと幸いです。
週末は母校の野球の応援。
公立なのに見事に県大会の決勝進出。
決勝は天理と智辯学園の勝者。言わずと知れた超強豪。
結果、決勝は1対11で負けたけど、本当によく頑張った!
相続対策の順序と鉄則
2024-09-13
処暑(暑さがおさまる)
白露(しらつゆが草に宿る)
どちらも過ぎたものの、、、この猛残暑。
いずれにせよ、お客様とのお話の中で「年末」という言葉も登場するようになりました。
年末にかけては、「相続対策」や「今年の生前贈与」の検討の時期にもなります。
相続税や贈与税においては「評価」という用語を使いますが、それはすなわち「それぞれの財産の課税対象の金額」という意味あいです。
普通預金であれば、残高が100万円であれば評価もまた100万円ですが、
土地や建物となると、買った値段や一般的な価値と相続税の評価には差が生まれます。
相続税の評価を下げるということで、不動産投資や不動産の小口化商品の販売も盛んにおこなわれているところです。
相続対策といっても選択肢は複数ありますが、
相続対策のうち、「評価を下げる」対策において重要なのは、
・評価を下げる対策実行時
・実際の相続の時
の期間が短い方が対策効果を発揮する、という点です。
したがって、年齢が一定に達していてキャッシュが潤沢にある場合には、(不動産投資などで)評価の下がった分だけ個人の純資産が圧縮され効果を発揮します。
反対に、まだ年齢がお若いなど、対策実行時点と実際の相続時点の時間軸に間が空く場合には、せっかく対策を講じても、その後利益が蓄積され、評価減額の対策効果は限定的となってしまいます。
あくまで相続対策の順番は
・納税資金の確保
・遺産の分割対策
・生前贈与
・評価の上昇スピードを抑える
・評価の減額
となります。
生前贈与ひとつとっても、方策は複数ですし、渡す側・受け取る側の年齢や意思も絡みますので、個別事情に応じて実行に移さなければなりません。
もう一つ、相続対策で相続対策で生命保険を活用する際は終身保険が鉄則です。
定期保険や養老保険だと、相続までに満期が来てしまうためです。
また、その終身保険については、保険各社がドル建ての高い利回りでの一時払いの商品を発売しており、
私どもも、外貨建て終身保険の場合は為替リスクを考慮すると必然的にドル建てのものを選択することになるものと考えています。
活用にあたっては、保険種類(終身保険、定期保険、養老保険etc.)のほか、もう一つ重要な論点は(終身保険の)受取人で、受取人を孫にしているケースも散見されます。
恐らく、一世代飛ばした方が有利だという判断からだと推察されます。
しかし、終身保険の受取人を孫とすることで、受取人の相続税が2割増しとなってしまう他、その孫に対してした生前贈与のうち一定の範囲のものは相続財産に取り込む必要が出てきてしまいます。
無用の課税は避けるため、
・終身保険の受取人は子
・孫に対しては通常の生前贈与で対応
が原則となります。
生命保険契約の契約者を変えると課税上の問題が生じますし、
被保険者を変えることは出来ませんが、
受取人を変えることは事務的な手続きのみですので、
もし万が一、終身保険で受取人が孫になっているケースには再検証が必要かと思われます。
台風一過の散歩道。
やさしく光る、山の辺の道。
- 2024年11月 (1)
- 2024年10月 (4)
- 2024年9月 (2)
- 2024年8月 (3)
- 2024年7月 (2)
- 2024年6月 (4)
- 2024年5月 (4)
- 2024年4月 (3)
- 2024年3月 (2)
- 2024年2月 (2)
- 2024年1月 (2)
- 2023年12月 (3)
- 2023年11月 (2)
- 2023年10月 (5)
- 2023年9月 (1)
- 2023年8月 (4)
- 2023年7月 (2)
- 2023年6月 (5)
- 2023年5月 (3)
- 2023年4月 (4)
- 2023年3月 (2)
- 2023年2月 (4)
- 2023年1月 (4)
- 2022年12月 (3)
- 2022年11月 (7)
- 2022年8月 (1)
- 2022年7月 (2)
- 2022年6月 (2)
- 2022年5月 (3)
- 2022年2月 (1)
- 2022年1月 (3)
- 2021年11月 (2)
- 2021年10月 (1)
- 2021年8月 (9)
- 2021年7月 (1)
- 2021年6月 (2)
- 2021年3月 (1)
- 2021年2月 (3)
- 2021年1月 (2)
- 2020年12月 (4)
- 2020年11月 (3)
- 2020年10月 (4)
- 2020年9月 (3)
- 2020年8月 (4)
- 2020年7月 (4)
- 2020年6月 (2)
- 2020年5月 (1)
- 2020年4月 (3)
- 2020年3月 (6)
- 2020年2月 (3)
- 2020年1月 (3)
- 2019年12月 (4)
- 2019年11月 (4)
- 2019年10月 (6)
- 2019年9月 (3)
- 2019年8月 (4)
- 2019年7月 (5)
- 2019年6月 (6)
- 2019年5月 (8)
- 2019年4月 (7)
- 2019年3月 (11)
- 2019年2月 (8)
- 2019年1月 (8)
- 2018年12月 (10)
- 2018年11月 (8)
- 2018年10月 (9)
- 2018年9月 (9)
- 2018年8月 (7)
- 2018年5月 (2)
- 2018年4月 (2)