BLOG代表税理士 松尾ブログ

諸行無常。あおばらしく。
2024-07-19
テーマ:
毎年末の税制改正大綱は必ず目を通すほか、
税制改正大綱とともに、毎年6月の骨太の方針、そして5年に一度の年金制度の健康診断である財政検証もまた、要注目の資料として捉えています。
7月の連休、ようやくという感じで7月3日に厚労省から公表された「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」レポートを読みました。
メディアでも報道がありましたが、年金の受け取り額に着目した記事が多く、年金の特別勘定(積立金)に触れた記事はどこか少なかったように感じます。
例:年金水準「経済成長なら6%減、横ばいで2割減」 政府試算(日経新聞)
しかし実際のレポートを見るとけっこう衝撃的、、、。
まず試算の前提として30パターン以上が用意されていますが、今より出生率が上がる場合や高成長率を実現した場合、と現実的ではないものが多く、
一番現実的なのは
・出生率が低位
・経済成長率を過去30年の実績を投影
のケースかと思います。
そうなると、130ページを超すレポートではありますが、肝心なところは
・P36、37:機械的に給付水準の調整を進めた場合
・P39、40:所得代替率50%を維持した場合
となります。
特に後者の「所得代替率50%を維持した場合」には、国民年金の積立金は2095年に底をついてしまいます。
厚生年金の方も、2095年に今の半分以下の水準まで落ち込んでいます。
しかも、今後しばらく毎年16.4万人の外国人が入国超過で、その人たちも厚生年金保険料を負担するという前提条件のもとで、、、。
今は円安で、積立金の運用をするGPIFの運用益が多額に計上できた、というような記事も散見されますが、その運用原資である積立金自体が激減する格好です。
下部に記載のある「完全な賦課方式」というのは、年金給付の原資を積立金の運用によらず、「保険料と国庫(税金)」のみで賄うことを指しますので、給付を維持しようとすれば保険料を上げるか増税か、というのが当然の流れです。
年金財政は「100年安心」という名のもと、5年ごとに100年計画を見直していく方針で、2019年の前回から円安で少しは改善されているとはいえ、財政的な懸念は残されたままと言えます。
厚生年金保険料を負担する個人として法人として、何ができるか深く考えて行かねばなりません。
そんな中、中小企業でも十分に活用できる、企業版確定拠出年金制度(DC)は有用であると考えており、このブログを書いている今日も、お客様1社が導入を決められました。
そして、6月の下旬には「骨太の方針」。
現政権を象徴するかのような、非常に曖昧で総花的な表現が多く散りばめられたものになった感があります。
経営者の皆様の「経営の出口」に対する課税である退職所得への課税方式につき、2023年の骨太の方針には「見直しを行う」と断言する表現があり懸念していたものの、結局のところ2024の今回は「税体系全般の見直しを推進する」との表現にとどまっています。
一方、個人的に着目していたライドシェアも期限の明示なく「議論を進める」との言及のみで、最終的にはトーンダウンするという点においては同様の結果になったものと見受けられます。
国家財政として円安メリットを享受している今だからこそ、規制緩和に踏み込んでおかなくては、と思うのですが、、、。
その他、中小企業に関連するものとしては
・最低賃金につき、全国加重平均1,004円になったことを踏まえ、2030年代半ばまでに1,500円を目指す
・短時間労働者への被用者保険の適用拡大、ならびに、常時5人以上の個人事業所の非適用業種の解消について2024年末までに結論を得る
・教育訓練給付の給付率の引き上げ(70%から80%へ)
・教育訓練休暇中の生活を支えるための新たな給付金の創設
・リ・スキリングの対象に経営者を追加
・中小企業を念頭においたマッチングプラットフォームを20204年度中に運用開始
といったものが挙げられます。
資金繰りについては「コロナ禍以前の水準に戻す」と明記され、事実、柔軟に使えた「伴走支援」と呼ばれるコロナ借換保証は先月末をもって終了しました。
※セーフティーネットの前提となる認定時の緩和要件(売上減少等を実績のみで判断せず見込みの要素も入れることができる)は継続される模様です。
また、2023年の骨太の方針には「中小企業等の事業再構築・生産性向上・円滑な事業承継の支援」と記載があり、それに対応する制度として「事業再構築補助金・ものづくり補助金・IT導入補助金・事業承継補助金」があり、活用頻度が高い制度となっています。
しかし今回の2024年版にはそういった表現がなくなっており、これら今まで身近だった補助金の継続性にも注意を払っておかなければなりません。
やはり、中小企業庁としてメインと位置付けているのは、過去にも取り上げた省力化投資補助金で、先日受付も開始されました。
参考:新設。省力化投資補助金
一様に、中小企業にはなかなか厳しい、もしくは影響の少ないものであるように感じます。
円安は中小企業と一般消費者にはマイナス。今こそ地域に根付いた専門職ワンストップサービスを、
ということで7月1日は恒例の経営計画発表会。
「諸行無常。あおばらしく、挑戦する勇気をもって進んでいきましょう。」
↑
経営計画書(松尾よりメッセージ)より抜粋。
数字を経営に活かす3ステップ
2024-06-17
3月決算5月申告のお客様の申告業務が終わってひと段落となる6月。
弊社6月決算につき、たいていは弊社の経営計画書を仕上げる1か月となります。
計画書データと毎日毎日にらめっこして6月を過ごします。
本当に本当に有難いことに、過去10年間で200社を超えるお客様と新たに顧問契約を頂戴しておりますが、今期の1年間は、その中でも一番多くの契約を頂戴した年度でもありました。
そのすべてがいわゆる「紹介」で、「事業承継を契機に」もしくは「月次決算プラスご提案を」というケースがほとんどになります。
事業承継に関しては、税制改正にとって毎年末の税制改正大綱と同様に重要な位置づけとなる「骨太の方針」において、下記のような報道がありました。
要件を満たせば贈与税負担がゼロで株の移転ができる新事業承継税制ですが、その要件が緩和される方向で検討されているとのこと。
ただ、内容はと言うと、株の贈与を受ける人が贈与を受ける時点で3年以上役員である必要がありますが、その要件を緩和する方向。
とのことですので実務的にはほとんど影響がないと感じます。
やはり問題は「この制度を使うかどうか」にあり、今一度、この税制の大枠と主なメリットデメリットを抜粋すると下記の通りとなります。
<概要>
・R8.3.31までに特例承継計画(A42枚のシンプルなもの)を提出
・R9.12.31までに贈与を実行
・他の要件を満たせば贈与税の全額が猶予
<メリット>
・贈与税負担なしで株の移転が可能
(後継者が確定しており、株価が高い、又は時間の余裕がない場合に特に有効)
・税務上の株価を贈与時点の価値に固定できる
<デメリット>
・猶予の取消要件に該当すれば延滞税とともに本税を負担する必要がある
・贈与後、相続が発生した時点で、納税か猶予の延長かの選択を迫られる
・贈与後、相続が発生した時点で、株も含めて相続税を再計算するため、事業に関係のない相続人の相続税率に影響する
制度の創設以来、何度かの改正が加えられていますが、贈与の期限である「R9.12.31」という日付が改正の検討課題に上がったことはありません。
弊社も、「贈与税の納税猶予は積極活用」という基本方針であり、承継のスキームを考える際には必ずといってもいいほど選択肢に上がります。
事業承継は百社百様。
贈与の実行期限まで残り3年半という中で、改正の動向もにらみつつ、引き続き、実情に合わせた承継方法を共に探っていければと考えております。
月次決算に関しても、現在は会計ソフトが非常に優秀ですし、毎月早めに試算表が欲しい!というトップの指示があれば、月次で試算表をタイムリーに出せる態勢にすることは十分に可能です。
ただ、試算表が早めに上がってきたとして、次のステップとしてそれが使えるかどうか?ということになると、大きなポイントは「在庫」を月々でどう把握するか、という点になります。
税務調査において「在庫」の確認は必ずなされます。
順番としては、まずは「売上にもれがないか?」というところからですが、その次は決まって「在庫」の確認に移ります。
なぜか?
会社にとって一番大きな費用は?と考えた場合、「人件費」、ではなく、「原価(仕入、外注)」が一番金額が大きな費用である、というケースが多いと思われます。
その原価は、
1,期首の棚卸資産(在庫)
プラス
2,その期の仕入、外注などの原価
マイナス
3,期末の棚卸資産(在庫)
で計算されます。
「1」は前期のものですし、「2」がもれることはまずない、となれば、一番大きな費用である原価は「3」の期末の棚卸資産(在庫)によって確定されることとなり、当然に大きな着眼点となります。
在庫とは期末に残っている商品というイメージもありますが、「計上されていない売上に対応する原価」という意味合いもあります。
税務調査の側面はさておき、期末なり各月末の在庫によって原価が確定するということは、いまの粗利益の率も確定することとなり、経営管理上も重要です。
黒字を継続できている企業に共通する事象として、決算の先行き管理を行うことができている、という点があります。
建設業にせよ販売業にせよ、月次報告を出来るだけ早く実現するために期中においては概算の粗利益率にて業績を把握しつつ、やはり半期や第三四半期には実際の在庫による粗利益率で業績を把握することが重要です。
在庫の額がある程度把握できれば、今度はその実額を踏まえ、
・いまの資金調達の方法が適切かどうかを判別できる
・必要売上高も計算できる
・確度の高い予算も作成できる
といったように、在庫把握の一点から経営課題を多岐に検証できる体制へとつながります。
ステップ1:試算表がタイムリーに上がる(経営状態が分かるようになる)
ステップ2:在庫把握の一点から、様々な分析や判断が出来る(数字を使えるようになる)
ステップ3:決算先行き、資金繰り先行きが把握可能、さらに「予算」に魂が入る(経営を見通せるようになる)
という3段階で、地域の中小企業の皆様に伴走していきたいと思います。
地元の小学生向けに、毎年末には「お正月講座&しめ縄づくり体験」を開催しています。
年末の講座用の稲わらを今年は自分たちの手で植えてみよう、ということで、友人たちとやって参りました。
いや~、重労働。昔の人はすごい。
しめ縄専用にと考えていますので、お米の種類は「もち米」です。
さて、無事に講座に使えるか?ハラハラながらもワクワクです。
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