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「事業承継とM&A」セミナー

2018-12-12

テーマ:セミナー報告事業承継

 

95回目の「あおばセミナー」は、

「事業承継とM&A」と題して開催しました。

 

私どもとしては

「託し託される事業承継」というネーミングで、

 

 

単なる損得の一致(Win-Win)を目指すのではなく

価値観の一致した事業承継を実現していただきたく、

 

 

事業承継を

5つのステップに分け、

18個のツールを使って

 

託し託される関係性を構築して頂きたいと考えています。

 

実際のところ、中小企業のM&Aは

・親族承継

・親族外承継

・M&A

 

3択になります。

 

 

・M&Aって身売りでしょ?

・息子がいたら関係ないでしょ?

・業績が悪くなってから考えればいいでしょ?

・世間体が良くないでしょ?

・統合してもうまくいかないでしょ?

 

まずはそんな誤解を説くことを目的とし、

事例を中心にご紹介させて頂きました。

 

また、M&Aはそれ自体が目的ではなく、

あくまで切り口は「事業承継」です。

 

私どもも親族内承継がベストだと思っています。

 

 

しかし実際には

 

・親族は大企業に就職して戻ってこない

・連帯保証には気が引ける

・業績やが芳しくなく、継がせる不幸

 

というケースも往々にしてありますし、

 

後継者にとっても

 

・創業者を超えられないジレンマ

 

があります。

 

 

その解決策の有効な一つになるものと思います。

 

その他にも

買い手としてのM&Aのニーズも高まってきており、

30代ですとか、特に年齢が若めの経営者さまからのご相談が実際に増えています。

 

M&Aの仲介業者や仲介サイトは日本に浸透しきった感がありますので、

この点でも「士業」の信頼性をもとに

託し託される関係性の実現を目指していきたいと思います。

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徐々に身近になってきたM&A

2018-12-05

テーマ:事業承継経営を守る情報

 

中小企業の事業承継は実際のところ、

・親族承継

・親族外承継

・M&A

3択になります。

 

事業承継を切り口に色々とお客様ごとに

シミュレーションをしていくと、

 

身内に後継者がいる、いない。

後継者本人のやる気がある、ない。

後継者がいないとすれば、幹部に候補者はいるか、いないか。

 

いずれにしても後継者と目される人が連帯保証まで

覚悟を決めているか、いないか。

 

その方のご家族の覚悟のほどはどうか。

 

覚悟があるとしても、後継者に株を買い受ける財力はあるか、ないか。

 

株を買い取る財力があったとしても、そもそもその業界の先行きはどうか。

変化を起こす行動力はあるか。

 

そんな行ったり来たりを繰り返しているうちに、

意外と「M&A」に行きつくことがあります。

 

 

事業承継は最初で最後の経験。

後継者の指名は経営者固有の権利。

手を付けない理由はたくさんある。

 

それでもやらねばならない事業の承継。

雇用の承継

 

私たちも「フィルター」となるべく、

 

恒例の毎月第一土曜日の研修会で

 

年商数百万からのM&A成功事例を共有しました。

 

 

圧倒的な売り手市場のM&Aの世界。

 

つまり、買い手に対して

圧倒的に売り手が不足している状況。

 

3年連続営業赤字。

債務超過。

それでも成功した事例あり。

 

私も、先入観を捨てねば、と思い直しました。

 

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教育資金の一括贈与の非課税制度

2018-11-21

テーマ:事業承継経営を守る情報

 

「教育資金」を一括で贈与すれば1,500万まで非課税

 

という教育資金の一括贈与に係る非課税特例は

今年度末(H31.3.31)に期限を迎えます。

 

 

この制度のポイントは次の通りです。

 

・直系尊属からの贈与(祖父母・父母からの贈与)であること

・学校などへの入学金、授業料等であれば1,500万まで非課税

・学習塾やスイミングなど学校以外でも500万まで非課税

・金融機関経由で手続きをするので税務署への手続き不要

 

そして、気を付けないといけない盲点は次の通りです。

 

・あくまで一括の贈与であること

・もらった側が30歳になった時点で使いきれていなければその時に贈与税がかかる

・この制度を使わなくても、

そもそも(一括ではなく)必要な時に必要な金額を贈与する場合は贈与税は非課税であること

 

とはいえ、とくに相続税対策に急を要する場合は非常に有効です。

 

 

例えばお孫さんが6人いらっしゃって、

この制度を使ってそれぞれ1,000万づつ贈与するとしたら

6,000万もの資金を非課税で次世代へ移すことが出来ます。

 

 

そして、文部科学省からは、この制度の恒久化の要望が出されています。

 

しかしながら、その場合は報道にもある通り、非課税金額や所得面での制限が入る見込みです。

期限が切れて以降の動向は税制改正大綱を待ちましょう。

 

師走を控え、「生前贈与」に関するご相談を多く頂戴する時期でもあります。

 

節税面からはひとつの大きな選択肢と言えます。

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同族会社への貸付金を相続財産から除外できるか

2018-10-17

テーマ:事業承継経営を守る情報

 

会社への貸付金(会社から見れば借入金)について、

 

東京地裁の平成30年3月27日裁決に下記のようなものがります。

 

・親が代表を務める会社に親が貸付けをしていた

 (約5,700万円)

 

・借り入れは昭和50年から徐々に発生

 

・親が亡くなる

 

・相続人(子)は、会社の経営にはノータッチ

 

・会社の決算状態も一切知らない

 

・会社の営業状況は改善される様子はない

(ほぼ借入金相当が債務超過)

 

・生前は毎月10万円ずつ返済

 

・返済は自分(親)が生きている間だけでよいと言われていた

 

 

およそ上記のような条件のもと、

貸付金5,700万円相当を相続財産に含めずに申告した事例です。

 

 

「返済は自分が生きている間だけでよいと言われていたこと」

をもって相続が発生した時点で債務免除されたものと主張するものの、

 

その主張も実らず。

 

また、「会社の経営状態が改善する見込みがないこと」

をもって相続財産に入れなかったと主張するものの、

 

それも実らず。

 

 

判決では、財産評価基本通達において、

 

相続財産に算入しなくてもよいケースとして挙げられている

 

「その回収が不可能又は著しく困難」なときとはどんな場合か?

という点について、

 

 

「債務者(会社)が経済的に破綻していることが客観的に明白」であること

を要求しました。

 

会社が破産等の法的手続きに入っているなど「客観性」が必要ということです。

 

 

会社への貸付金については、返済を免除すれば会社側で収益計上されます。

 

債務超過の状態で資本金に組み入れれば、こちらも会社側で収益計上される可能性が高いです。

 

 

まずは「債権の有無の確認」、そして計画的な返済・贈与による名義変更など、

 

こちらも事業承継にあたっては重要テーマとなります。

 

 

ほとんどの日本の企業が今まで経験してこなかった

「事業承継」という問題。

 

本当に論点が多岐にわたります。

経営者と後継者に、本当に信頼できる伴走パートナーが必要です。

 

 

将来、相続税を払うのは後継者。

 

後継者も他人ごとではすまされません!

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そもそも退職金ってなに?

2018-10-14

テーマ:事業承継経営を守る情報

 

事業承継のご提案にあたって

「退職金」の支給時期

 

・スキーム選定

・株価

・とうぜん、税負担

・登記

・会社組織

・個人の相続対策

 

などなど多岐に影響を及ぼします。

 

 

事業承継がまだしばらく先だとしても、

 

例えば生命保険の加入にあたってその目的を「退職金資金」に、といって加入されるケースも多いはずです。

 

金額も大きくなりますし、

一生に一度のことですし、

経営の出口のことですので、

 

そもそも退職金って何なのか?

 

ということを押さえておく必要があるように思います。

 

 

法人税法においては明確に規定をおいていませんが、

 

 

まず所得税法では

 

・退職(勤務関係の終了)を起因とする

・従来の継続的な勤務への対価の一部後払い

・一時金として支払われていること

 

3つが要件となります。

 

まあ、当たり前のことです。

 

 

で、

 

 

法人における「役員退職金」についての争点をみますと、

 

1,役員がその法人を退職したことで初めて支給され、

 

2,役員としての在任期間中の継続的な職務執行への対価の一部の後払いとしての性質を有しているか、

 

という論点が最も重要となります。

 

 

ざっくり一言集約して申しますと、

 

「ほんとうに辞めているか?(職務が激変しているか?)」

 

 

ということになります。

 

 

例えば、ただ代表取締役から取締役に登記が変わっただけで、いまだに対外的にも影響力を行使している場合には「退職していない」ものとされる可能性があります。

 

 

その場合は「退職金」ではなく「賞与」となり、所得税はかかるけれども損金算入できない、といったことになりかねません。

 

 

・後継者が単独で判断できるようになるまで相談役として経営に関与している

 

・一定額を超える支出の決裁者である

 

・対銀行など資金繰りの窓口役をつとめている

 

・後継者に相談なく多額の費用の支払いを決定している

 

・仕入について購入するかどうかの承諾をしている

 

・取締役会に出席して人事給与の決定に関与している

 

・高額の資産取得に関与する

 

などの実態が認められると、登記上は代表者から外れているとしても「退職していない」ものとされる可能性があります。

 

 

退職金は金額(多いか少ないか)のことばかりがクローズアップされがちですが、

 

退職金の支給時期の問題は、経営への関与の仕方にストレートに影響してくる項目です。

 

 

事業承継にあたっては非常に大きな論点となるでしょう。

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事業承継はまずはテーブルにのせることが大切。

2018-09-12

テーマ:事業承継

過去のメルマガから反響の高かったものを抜粋します。

2018/7/9の記事です。

 

 

※※※※※※※

 

 

税理士の私から見ても

事業承継の現場への影響が大きいだろうな、

と思える「民法」の改正案が審議中です。

 

早ければ2020年からの施行になります。

なかでも、経営者の方におさえておいて頂きたい大きな改正点は
2点

 

①遺留分侵害額が金銭債務になる

 

自社の株式を後継者に相続させた結果、

他の相続人様に最低限保障された権利である

「遺留分」を侵害してしまうケースがあります。

 

 

今は、侵害されたという請求があれば、財産が「共有」の状態となってしまい、

株式も分散させてしまうことになります。

 

 

改正案では金銭で支払えば済みます。

 

 

スピーディーな分割に役立つ一方、
後継者にとってのキャッシュの重要性がますます増します。

 

 

そこには生命保険の活用余地もあるでしょう。

 

 

②遺留分の対象に含める生前贈与を相続開始前10年間に限定

 

 

今は、生前贈与について、過去何年もさかのぼって

特別な利益として遺留分を計算し、

権利を主張することが出来ます。

 

 

ここに、過去さかのぼることが出来るのは過去10年という限定が加わります。

 

 

早めの事業承継・生前贈与の重要性がますます増します。

 

 

※※※※※※※

 

という記事でした。

 

 

遺留分の計算対象に含めるのは

 

3年?

7年?

期限なし?

 

という風に現場実務でもいろいろとご質問がありますが、

今は制限なし、のところが10年になるかもしれない、

というのが実情です。

 

 

今の経営者がお元気だからこそ着手が遅くなりがちな事業承継。

特にモノ(自社株式や資産)の承継。

 

 

一度テーブルにのせる、というのが大切です。

一回のせたら、また仕舞ってもよろしいのですから。

 

 

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納税猶予を受ける前に「必ず」やるべきこと

2018-08-26

テーマ:事業承継経営を守る情報

税理士法人あおばの松尾潤です。

 

納税猶予制度が改められ、

自社の株式について、

2027年12月31日までであれば

実質的に無税で贈与することができるようになりました。

 

 

非常に革命的な制度ですが、

これを使う可能性があるのであれば必ず確認しておくべき

と思うことがあります。

 

 

それは
後継予定者の「役員登記」

 

 

贈与時点で就任から3年以上経っていなければなりません。

相続税について納税猶予を受けるのであれば、相続の直前に役員になっていなければなりません。

 

 

株価が高くなっている企業様においては特に、

いまは修行中の後継予定者が○年後に帰ってくるから・・・

という状態の時は「役員就任」も併せて視野に入れておくべきだと思います。

 

 

万一突然に相続が起こってその時に役員登記していなかった、

となれば納税猶予はテーブルにすら乗らない、ということです。

 

 

この点はあまり、というよりもほとんどアナウンスされていませんし、

 

 

税法以外のことでも、
他にも

・株券発行会社になっていないか
・遺留分を担保できる保険の手当てはされているか

などあまりにも論点が多い制度です。

また、今はあまり株価は高くなくても

 

低い株価のうちに一括して後継者に贈与しておくことも選択肢の一つです。

 

 

今回の納税猶予制度は期限が区切られているからこそ

「後継者の役員登記の時期」にはご注意ください。

またセミナーもさせて頂く予定です。

 

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