税理士松尾ブログ
後継者塾。募集スタート。
2023-02-23
テーマ:経営を守る情報
事業承継のテーマにならない日はない、という日々の実務。
また、普段の実務は別の税理士先生に依頼されているものの、事業承継の進め方となると少し相談しづらいので弊社に、といったケースもチラホラと。
どのような場合であっても、事業承継を実際に進めるにあたっては後継者の選定ありきですし、後継者ご自身も普段の営業に加えて経営を守るための情報も身につけて頂く必要があります。
というわけで
・これからの経営を守る実務ノウハウを
・短期集中で
・網羅的に
ご確認頂く機会として「後継者塾」をスタートさせることと致しました。
・代表者に就任していない後継予定者
・代表に就任して3年未満の皆さま
を対象として4人の士業(税理士・弁護士・弁理士・社会保険労務士)からお話しさせて頂く予定ですのでご参加頂けると幸いです。
先日「伴走支援型特別保証」制度、いわゆるコロナ借換保証制度がスタートしています。
実務では、その保証制度と同時に、政策公庫さんの商品である「資本性ローン」と両にらみで検討するケースが多いと感じています。
資本性ローンは期日一括返済であるため、期間中は元金返済を伴わず、ローン(負債)であるものの金融検査上は「資本」とみなすことが出来るのが最大の特徴です。
そのため、借入利息は税引き後利益が黒字であれば高く、赤字であれば低い、という構造になります。
一定期間返済を伴わなず、かつ資本とみなす性質の資金を注入することで、民間金融機関の支援が円滑になる「呼び水」となることを目的としたものとなります。
もともとベンチャー支援を念頭に置いた資本性ローンは金利が高かったのですが、
コロナ対策として扱われている商品は
・税引き後利益が黒字であれば2.6%〜2.95%
・税引き後利益がマイナスであれば0.5%
と設定されています。
(国民生活事業の場合)
「呼び水」となることが最大の目的ですので、資本性ローンの注入とともに民間金融機関の何らかの協調支援が前提として求められますが、認定支援機関の所見があればそれも必須ではないようです。
・コロナからの回復が遅れているケース
・借入が複数本走っており資金繰りを根本的に見直さないといけないケース
では特に、活用の選択肢に上がるものと思われます。
そして確定申告実務では、やはりインボイス対応の話題。
インボイス制度はスタートが令和5年10月1日で、スタート時に事業者登録を間に合わせるためには令和5年3月31日までに手続きをしなければなりませんでした。
しかし、先般の税制改正にて、令和5年9月30日までの申請については制度スタートに間に合わせることになりました。
(実際には登録まで3週間ほどかかりますので、早めには申請しておかなくてはなりません。)
ただこれはあくまで発行手続きの話であって、制度の根幹には変更はありません。
課税事業者(すでに消費税を納めている事業者)のポイント
1,インボイスに登録することにメリットもデメリットもない
2,支払の相手先にインボイスを発行できなさそうな事業者がないかどうか
免税事業者(いまは消費税を納税する必要のない事業者)のポイント
1,売上の相手先が一般個人のみである場合はインボイス発行の必要はない
2,売上の相手先に事業者がある場合はインボイスに登録するかどうか要検討
小規模事業者への軽減措置があるためか、年間売上が1,000万円を超えない事業者でも登録をされるケースが多いように感じます。
いずれにせよ、課税事業者も免税事業者も「2」のケースにおいて、
消費税相当をどちらが負担するかの「値決め」の話に必ずなる、
という根幹は変わらないため、引き続き当事者間での話し合いが重要となります。
税制改正での隠れた負担増。
2023-02-07
テーマ:経営を守る情報
今年の税制改正では、
・生前贈与で相続財産に取り込まれる年数が3年から7年になった
・相続時精算課税制度が使いやすくなった
・NISAが拡充された
・防衛増税
といったテーマが取り上げられることが多いです。
実際、先日の税制改正セミナーではそういった部分をメインとして取り上げました。
しかし一方で、あまり取り上げられることのない項目でも、金銭的にせよ事務的にせよ、納税者に不利だな、と感じる項目も多くあります。
例えば給与支払報告書の提出範囲。
「1日だけ来て辞めちゃったアルバイトさんの給与支払報告書も出さないといけないのか?」など、
「どこまで源泉徴収票を提出するのか?」が話題となることが多くあります。
提出範囲は
・各市町村に対するもの
・税務署に対するもの
に応じて異なっています。
<各市町村に対するもの>
⇒全部(退職者で年30万以下のものを除く)
<税務署に対するもの(主な区分)>
⇒年末調整をした人は、年500万円超の人(法人の役員等は年150万円超)
⇒扶養控除等申告書を提出して年末調整をしていない人は、年250万円超の人(法人の役員等は年50万円超)
イメージとしては
「市町村の方が税務署より提出範囲が広い」ということとなります。
そして税制改正により、
この提出範囲が「市町村の基準に統一(拡大)」されることとなります。
(令和8年分に係る給与支払報告から)
電子化に伴い当然と言えば当然かもしれませんが、いままで以上に国税庁に膨大な情報が蓄積されることとなりそうです。
その他、電子取引。
税務上の「電子取引」とは、
・ネットショッピングでダウンロードした領収書
・メールで受け取った、又は発行したPDFの請求書
など、受領・発行時点から電子媒体のものが該当します。
そしてそれをプリントアウトして保存するのではなく、電子媒体で保存することが強制されるのが「電子帳簿保存法における電子取引」となります。
しかし今年いっぱいは、電子取引を書面にプリントアウトして保存していても、宥恕(容認する)措置が設けられています。
今回の税制改正で、書面での保存を事実上認める措置が、
・時限的な宥恕措置から
・恒久的な措置へ
改正されています。
書面保存が恒久化されたと見る向きもありますが、実際は厳しくなったというのが実感です。
来年以降は
・電子取引に対応しようとしているが対応できない相当の理由がある
・書面で出力して保存している
・税務調査時のダウンロード要請に応じる
という3つの要件を満たす場合に限り、電子取引の書面での保存が認められます。
このダウンロード要請に応じる、というのが調査時の提示、提出に応じることを指しますので、なかなか重たい条件が一つ加わった形です。
調査があった時は出来る限り資料の持ち帰りは遠慮してもらうのが基本スタンスですので、
ダウンロード要請に応じなくてよいためにはどうすべきか?を考えた場合、
1,検索要件を満たす
2,事務処理規程などを作成する
ことが必要となります。
上記の「2」については規程を作成し、ディスプレイなどに提示できる状態にしておけば良いのですが、「1」の検索要件が少しハードルが高いものになります。
ア:日付、金額、取引先を検索できる
イ:日付と金額は範囲指定して検索ができる
ウ:AAかつBBというような組み合わせ検索ができる
という3つを満たすものが検索要件となりますので、単にフォルダに格納しているだけでは対応できません。
来年1月を見据え、自社の電子取引のボリュームによって
・Excelで索引簿などをつくり、そこにPDFファイルへのリンクを貼る
・管理ソフトを導入する
といった対応が必要となります。
白菜。巻くか?巻かんか?
2023-02-05
テーマ:まつおの畑作日記
近くの畑のセンパイから、「巻かへんで」と言われていた白菜。
苗の植え付けが遅くなっちゃったので、
巻くか?
巻かんか?
もしかしたら巻くかも?
と期待していたものの、、、。
2月に入り、断念。
やっぱりセンパイはすごい。
本格的な春に備えて土へと。
奈良の企業にとってのコロナ借換保証
2023-01-22
テーマ:経営を守る情報
いわゆるゼロゼロ融資の返済が今年の夏以降に本格化することを受けて「コロナ借換保証」制度がスタートしています。
ポイントは
・本来は0.85%の保証料のところ0.2%で利用可能
・さらに最大5年据え置きが可能(一番のポイント)
・返済期間も最大10年
・保証枠1憶
・経営行動計画書が必要(定期的に試算表提出、モニタリング、金融機関から保証協会へ報告の流れが前提)
といったところです。
伴走支援型特別保証というのが正式名称のようですが、保証制度全体の立て付けとしては
・新たに伴走支援型特別保証が創設
・その中にセーフティーネット4号、セーフティーネット5号、一般、の3つの枠がある
・伴走支援型特別保証を介さないセーフティーネット4号・5号、一般、の枠も引き続き存在
ということで複雑化しています。
いずれにせよコロナからの回復途上の企業にとっては、
・3年間無利息の全国統一保証枠(今は取扱い終了)でのコロナ融資を
・伴走支援型特別保証枠で借換え、
・さらに据え置きも視野に
という道が開けます。
そして奈良の企業にとっての使い勝手は?
奈良県の場合は「全国統一保証枠」ではなく「奈良県制度融資」を使っている場合がほとんどです。
つまり、最初の3年間は、というのではなく期間中ずっと無利息、という全国でもまれな形で資金調達しているケースほとんどだと思います。
そうしますと、せっかく伴走支援型特別保証の道が開けているものの、
「金利がかかってくるから手を付けずに置いておきたい(借換えしない)」
という力がどうしても働きます。
奈良県制度融資による融資以外の部分を伴走支援型特別保証で借り換えるのも選択肢ですが、少額の部分のみを借り換えたとしても、元金返済負担が減るよるメリットが出づらい可能性が高い状況です。
したがって、
・借換えをして月々の返済負担が軽くなる、さらに据え置きもできる。しかし金利は発生する(伴走支援型特別保証)
・借換えをせず月々の返済負担が重い。しかし金利は発生しない(奈良県制度融資)
・借換えをせず、条件変更をする(元金返済期間を延ばす)
のどれかを検討するケースが多くなるものと思われます。
もちろんケースバイケースですが、金利の発生よりも月々の元金返済を減らすことの方が資金繰り改善の面では優先順位が高くなります。
無金利という点は非常に大きいのも事実ではありますが、資金繰り表を作成して自社にとっての優先順位を見極めたいものです。
また、伴走支援型特別保証(コロナ借換保証)の他に、
政策公庫の「資本性ローン」も検討価値が高いものと感じています。
⇒詳細
「民間金融機関等による支援を受けられる」というのが前提ではありますが、これは民間金融機関において同じ額の新規融資が前提という意味ではなく、借換えや新規融資など何らかの形での民間金融機関における取組があれば「支援」と捉えることが出来るようです。
以前のブログ「資金繰り改善の順序(最近の傾向から)」では、実務上の対応として
1.当座借越枠の設定または増額の要請
2.短期融資の活用
3.コロナ融資以外の借換え
4.資本性ローン(政策公庫または保証協会)
5.追加融資
6.条件変更
と記載させて頂きましたが、その「3」と「4」の間に、今回の「コロナ借換保証」による借換えが来るイメージでしょうか。
またモニタリングが前提となっていることからも明らかなように、月次試算表が今後ますます重要となります。
何らかの事由で遅れがちな場合は、当社との役割分担も再度検証し、IT導入補助金も視野に入れてタイムリーな情報提供が可能な態勢をともに構築していければと思います。
この冬最後の収穫。
2023-01-17
テーマ:
Warning: Invalid argument supplied for foreach() in /home/mrri05/aoba-atm.com/public_html/wp-content/themes/wp-aoba/archive-matsuo_blog.php on line 39
ほうれん草とニンジン。
寒い中よく育ってくれたね。
春に向けて土づくりに励もう。
防衛増税の次は消費税?
2023-01-11
法人税を中心とする防衛増税が税制改正大綱に盛り込まれたと思いきや、こんどは少子化対策で消費税への言及。
雇用の大半を担う中小企業は原価高、経費高、人材不足に直面し、市井の国民も物価高に直面する中、にわかに信じがたい発言でした。
確かに、
・(昨年のように極端ではないものの)円安傾向
・相対的に安くなった日本の人件費
による「輸出の向上」と「巨大な内需」の両輪が上手く動けば、国内経済は堅調だと思います。
だからこそ内需が大切な今、消費税を上げてはまずい、、、と思うのですが反対の発言だったので驚きました。
さっそく発言の火消しの動きもある中ですが、2月の税制改正セミナーに向けて自分なりに税制改正の内容を整理するため、
・昨年6月の「骨太の方針」
・昨年12月の「税制改正大綱」
を確認している最中です。
リスキリング、デジタル田園都市、スタートアップ、、、様々な言葉が乱れ飛びますが、やはり「多極化」という考えがポイントのような気がしています。
国際社会を見渡すと、いわゆる欧米と呼ばれる各国や中露の他にも、トルコ・インド・インドネシア・サウジアラビアなど、資源もしくは内需を備えた実力ある国々が多極的な外交を展開しております。「グローバルサウス」という言葉も最近聞かれるようになりました。
国内を見渡しても東京に一極集中せず多極化するためにも関西圏、そして地方の重要性は今後ますます高まるものと思われ、安全保障面からも多極化は重要だと思います。
雇用の大半を抱え、その「多極」の中核を支える中小企業の「継続」にとって避けて通ることのできない事業承継。
2,500万円という大きな非課税枠があるものの、
・選択した後は、相続の時にはいったん相続財産に戻さねばならないこと
・さらに、たとえ100万円とか少額の贈与であっても戻す対象となること
から使い勝手の良くなかった相続時精算課税制度。
これが、選択後も2,500万円の非課税枠のほかに、年間110万円までの贈与は非課税かつ相続時に戻さなくても良い、という方向で改良されます。
そのことで、時限措置である「自社株贈与の納税猶予」についても、さらに積極的に活用できる制度となったと言えます。
また、いま40代、50代の経営者は、比較的早いご年齢での出口(承継、売却、廃業のいずれか)を志向される傾向にあると感じています。
まだお子様も若く後継者も目途がついていないことが多いので、生前贈与はしづらい環境にあるとは思います。
大きなテーマである退職金に対する課税に関して
・勤続年数20年を超える部分の所得控除が大きすぎる
・所得控除をしたあとにさらに1/2をする点が優遇が大きい
といった論点から見直し議論も進んでいるのも事実です。
しかし、退職金は老後の生活設計には欠かせないものでもあるため給与所得並みの課税となることは考えづらく、今回の精算課税制度の改良で、これまでの王道である「退職金支給で株価が下がったタイミングで相続時精算課税制度により株を一括移転」という基本方針が補強されることになっているといえます。
税制改正セミナーでは内容紹介だけではなくそういった解釈も交えてお伝え出来ればと考えております。
昨年末、母校の小学校で「お正月講座&しめ縄づくり体験」を開催しました。
そして今年に入り、小学校からサプライズが。
話を聞いてもらった生徒全員からのお手紙でした。
また来年の3年生もよろしくお願いします、とのこと。
了解です。
焼き芋が
2023-01-09
テーマ:まつおの畑作日記
あまりに美味し過ぎるので早くもすべてを食べきってしまう、、、。
もうちょっと多く作っておけばよかったと後悔。
春に向けて早速土づくりから始めよう。
今年の税制改正は要チェック
2022-12-29
令和5年度の税制改正大綱が公表されています。
特に今年は
・防衛費財源としての増税
・インボイスの激変緩和措置
・富裕層への所得税、相続税、贈与税の増税
・NISAの拡充
など、公表前からマスコミで取り上げられることが多かったように感じます。
実際に公表された大綱も137ページ。
令和4年度の税制改正大綱は102ページでしたのでボリュームも3割ほど増えた形となりました。
防衛費の財源としての法人税増税については、
・法人税額から500万円を控除した
・残額に対して
・4%〜4.5%を新たに付加
ということで「令和6年以降の適切な時期に施行」とわざわざ記載がされており、こればかりは今後の議論を待たねばなりません。
取り急ぎ、中小企業実務に大きく影響する項目としては
・年800万以下の所得に対する法人税率が15%(本来は19%)となっている措置
・30%割増の特別償却が可能な「投資促進税制」
・経営力向上計画をセットで100%即時に償却可能な「経営強化税制」
が、のきなみ2年延長ということでまずは安堵しています。
事業承継や相続対策に影響してくる「相続税・贈与税」についても大きな改正がありました。
しかし確かに軌道修正は必要なものの、基本スタンスまでは揺るがすものではないと思っています。
むしろ将来的に税務上の価値が値上がりするはずの「自社株」という財産を持つ宿命にある経営者にとっては有利に働く改正ではないかと思います。
節税には生前贈与が決定的な要素になりますが、その生前贈与には2つのコースがあります。
何もしなければ「暦年課税」。
これは年間110万円まで非課税というお馴染みのものです。
相続開始前7年間にした生前贈与については無効(相続財産に取り込まれる)となる改正が入りましたが、それは実際の相続時に財産を取得する予定の人にとってのはなし。
そもそも相続権のない人には関係ないことであり、お孫さんへの贈与については今まで通り積極的に活用すべきでしょう。
2つめのコースとして「相続時精算課税」。
これは読んで字のごとく、生前贈与したとしても、
「相続」の
「時」に
「精算(生前贈与がなかったものとして)」して
「課税」する
制度であるため、もともとは相続税がかからない人向けの制度です。
そして精算のときには「贈与した時の時価」でもって課税されるため、贈与時点から値上がりする見込みの財産を持っている人にも有益な制度でした。
一生涯で2,500万まで非課税で、超えた分には一律で20%で課税、これで税金に過不足あれば相続の時に精算します。
で、相続時精算課税にもあらたに110万円の非課税枠が追加されました。さらに、その110万までの金額は相続の時に相続財産に戻されません。
改正の趣旨は明白。
暦年課税の人・・・相続権のないお孫さんなどに一世代飛ばしで資金移転を促す
相続時精算課税の人・・・相続権がある人で2,500万の枠を使い切ったとしてもまだ非課税枠があるのでさらに生前の資金移転を促す
特に相続時精算課税制度の使い勝手が増したように思いますので、制度のメリットデメリットをご説明の上、活用をご提案していこうと思います。
当然、税制改正セミナーでもメインで取り上げます。
またその次の週には日銀から政策運営の大きなアナウンスがありました。
⇒原文
一番重要なのは
「10 年物国債金利について 0.5%の利回りでの指値オペを〜中略〜毎営業日、実施する」という部分なのだと思います。
今まで0.25%の金利で無条件で日銀が買い取っていた(指値オペ)国債を、今後は0.5%で買い取ることにする、つまりは「今後は日銀の国債買取価格が少し安くなるよ」ということを意味します。
今回のアナウンスを市場がどう反応するのか傾向を注意深く見ておかないといけないと感じています。
でもまあ、トレンドとしては無条件で買い取ってくれる金利水準に落ち着いていく、つまり長期金利は0.5%付近に徐々に落ち着いていくんでしょうね。。。
日本経済をマクロ的に見ると、物価上昇率は上がっているとは言え、欧州諸国の1/3程度、アメリカの1/2程度であり周りからすると落ち着いています。
したがって今回のように小幅に金利を上げて物価上昇を冷やすという対応となるのでしょう。
税収も最高だしマクロ経済は好調なだけに雇用の7割を支える中小企業にはますます厳しい時代がしばらく続く。。。
月次決算、予実管理そして信頼とともに伴走しなくては、と改めて思います。
また、コロナ借換保証も詳細が出ました。
⇒詳細
経営行動計画書という書類が必要になるのがポイントですが、極めて簡略的な書類で済むようです。
したがって、
1.必要運転資金の把握(決算書や試算表から)
2.1年更新など短期融資の活用
3.コロナ融資以外の借換え
を検証したのちとなると思いますが、
コロナ関連融資の借換えも選択肢に入れつつ、資金繰り状況の確認を加えていければと思います。
参考ブログ:運転資金の把握が今後ますます重要に
今年の12月はインボイスセミナーが目白押しでした。
11月、12月で計5回。動員数は150以上にお聞き頂きました。
地域への周知活動はいったんこれくらいにして、税制改正にも激変緩和措置が盛り込まれたことですし、原点に戻ってお客様との対話に注力していければと思います。
参考ブログ:インボイス導入ガイド~まとめ~
2/2(天理本社)、2/3(奈良センターオフィス)にて税制改正セミナーを予定しております。
特に、インボイスへの対応順序と激変緩和措置、そしてこれからの生前贈与策を民法の特別受益の考え方など税法以外の観点も含め、取るべき方策をご提示させて頂こうと企んでおります。
2/3は一般公開しておりますのでお気軽にお越しください!
12月27日は奈良センターオフィスの社員でしめ縄を編みました。
そして12月28日もご紹介いただいたお客様との初めてのご面会。
「ワンストップ」「月次決算」の強みをもとに、来年も宜しくお願い申し上げます。
さて、税制改正。
2022-12-13
防衛費の財源を巡り、ため息の出るような増税議論が続いており、防衛費の不足分を「法人税」を柱に確保する方向性のようです。
確かに、国際的な状況としては「ミニマム法人税」ということで、これまで法人税を出来るだけ引き下げて企業誘致など競い合ってきたところ、法人税率の下限を設ける国際的な合意がされており、その意味では法人への課税強化を打ち出しやすい状況にはあります。
参考記事:法人最低税率15%、法整備へ 国際合意受け政府・与党
さらに、コロナ前は人々が「移動」をものともせずに国境を行き交い、ビジネスにおいても地球を半周するような長距離移動も定着し、世界が一つに同質化するような状況でした。
それがコロナ禍と戦争により一気に国境という概念が蘇り、まずは各国とも国内内需を復活させた上で、内需で賄えない資源(天然資源や半導体のような高付加価値品)を融通し合う流れにあるように思います。
その状況下ではどうしても「法人の内部留保」と「富裕層」に負担を求めてしまうのでしょう。
であるならば防衛費とは別の論点のはずですが、、、。
今年の税制改正は法人税のみならず相続税の課税強化も話題に上っており、多数の改正点が浮かび上がりそうです。(12月15日に公表予定)
雇用の大半を担う中小企業にとって負担増となる改正とならぬよう見届けるのはもちろん、
企業としては、
・特別償却のような政策的な措置を有効活用した所得の圧縮
・積立型の企業保険のようにキャッシュと利益がズレる要因をつくらない
・人的資源との価値観の共有
・適切、適時の情報開示による資金調達環境
このあたりが大切になってくるのではないでしょうか。
私からも、税制のみならず、「働き方改革やスタートアップ支援(裏を返せば既存企業の撤退やむなしの認識か?)」の状況を見るに、「これからは中小企業には厳しい時代が続く」、「しかし奇をてらわず求められる価値を考えて基本に忠実に」と社内で共有したところです。
年末の公表をふまえ、
2月2日(場所:天理本店)
2月3日(場所:奈良県コンベンションセンター)
の夕刻に税制改正セミナーを企画しておりますので定員等は改めてご連絡申し上げます。
激変緩和措置(インボイス制度)。しかし足元で粛々と進む負担増の議論。
2022-11-29
今年7月を皮切りに、5回目となるインボイスセミナーが終わりました。
いま免税事業者との取引がある企業にとってのインボイス対応は、最後は「値決め」の話になりますので早くから地域への周知活動をしているところではあります。
と同時に、いやはや、このあらかじめ導入が決まっていた制度に複数の「激変緩和措置」を設けるとの報道が相次ぎ、税制が複雑化していく一つの過程が分かりやすく表面化しています。
3点、下記にまとめています。
線引きとなる売上規模は不明ですが、恐らく年商1千万以下といった小規模事業者について、インボイスの導入を機に消費税の課税事業者となる場合、3年間に限り、売上とともに預かる消費税の2割の納税で可、とする方向のようです。
売上とともに預かる消費税だけ集計していれば納税額まで計算可能な制度として「簡易課税制度」がすでにありますが、しばらくは同時進行していくことになり、事業所によって有利不利の判定が必要になってきます。
消費税のかかる売上が5,000万もしくは1億円以下の事業者について、1万円未満の少額取引については、受取る領収書等がインボイス(適格請求書)ではなくても、数年間に限り消費税の控除可、とする方向のようです。
クレジットカード払いの場合は金額がいくらであってもカード明細の他にインボイスを受領する必要があったので数年間は手間が省けるかもしれません。
が、いずれ対応する必要があることに変わりありません。
<請求書の電子データ保存義務 引き続き紙も認める方向で調整>
請求書をメールで受け取る、ネットショップの領収書をダウンロードする、といった受取り方法が電子媒体のものは、それを紙で印刷して保存するのではなくデータで保存しなければならず(電子で受け取ったものは電子で保存する)、今は猶予期間で2026年1月からは強制適用となります。
その猶予期間の終了後も特例的に紙での保存も認める方向、とのことです。
年末に公表予定の令和5年度税制改正は相続税贈与税の一体化議論と併せてなかなかにぎやかなものとなりそうです。
これらは中小企業への配慮という形ではありますが、足元では中小企業にとって大きな影響をもたらす「増税」「賃上げ」といった言葉が乱れ飛んでいる状況にあります。
しかし税収は増加を続けており、賃上げについても先日国税庁から公表された「民間給与実態調査」を見ると、着実に賃上げも実現できています。
それでもなお「パートの厚生年金加入、企業の規模要件を撤廃 政府検討」というような報道もあり、「働き方改革」という命題が留まるところを知らず増大しています。
諸外国の物価上昇を考えると円安はしばらく続くでしょうし、来年以降に円安が落ち着くにしても諸外国の景気後退を理由とするものである可能性が高い状況です。
円安メリットを享受することが極めて稀な中小企業にとっては厳しい状況が続き、改めて、固有技術に立ち返って「人づくり・客づくり・財務」の3点を磨き続ける必要があります。
しかし現実として、地方中小企業にとっては人材確保は死活問題でもあります。
そんな中で当社でも導入している「企業型確定拠出年金制度」については税制面の優遇も大きな福利厚生制度であり、結果的には社会保険料の節減にもつながるものとなります。
過去オンラインセミナーでも取り上げておりますが、まだまだ知名度が低い状況にありますので再確認頂ければと思います。
⇒【特別公開】あおば オンラインセミナー「中小企業でも使える確定拠出年金とは?」
IT導入補助金デジ類型は12月中旬には申請準備を
2022-11-15
年末に向けてインボイスセミナーがあと3回。
そのうちの1回目が終わりました。
市内の「町」ごとの開催とあってかなりの地域密着感を出しながら周知しております(笑)
インボイスに関しては先日、日本商工会議所のアンケート結果が公表され、
・課税事業者にとっての免税事業者への対応方針
⇒28.4%が取引関係を見直す(取引しない、又は経過措置の間は取引する等)
・免税事業者にとってのインボイス制度への対応方針
⇒53.4%が課税事業者へ転換する(経過措置後、又は要請があれば、を含む)
となっているようです。
スタートのR5.10.1が近づけば近づくほどに様相も変わってくるとは思いますが、いずれにせよ今のうちからの取引関係、取引条件の検討が重要かと思います。
※年内、インボイス関係のセミナーは下記の通りで開催予定です。
・11/28@三島公会堂(奈良県天理市)
・12/14@なら歴史芸術文化村
⇒お申込み
ご都合のつかない方はオンラインをご視聴を頂ければと思います。
⇒あおば オンラインセミナー「インボイス対応 5つのステップ」(youtube)
政府の総合経済対策を盛り込んだ令和4年度の補正予算案のさらなる具体像が徐々に公開されてきています。
中小企業関連(経済産業省関係)としては
・コロナ融資の借り換え保証の創設、さらに、一定の売上減少要件を満たす場合には借り換えの際の保証料が補助される制度
・IT導入補助金については補助下限を撤廃
・事業再構築補助金については売上減少要件のない成長枠の新設
・小規模事業者持続化補助金については課税事業者へ転換する事業者向けのインボイス枠の補助上限を50万上乗せ
といったところです。
その中でも、平均採択率が80%を超えているIT導入補助金のうちの「デジタル化基盤導入枠」。
スケジュールでは最終締め切りが来年の1月19日となっています。
会計・請求発行ソフトを導入する際に当社もお手伝いさせて頂くことがございますが、最終締め切りを考慮すると、12月中旬をメドとして申請準備を進めることが必要となります。
当社でお手伝いさせて頂くケースでは、
・経理の合理化(人の退職や体調不良に備えられる体制)策の立案
・IT導入支援事業者であるマネーフォワードさんを通して申請
という流れを取っています。
単に会計・請求ソフトの入れ替えありきではなく、
・手入力の工程の改善余地
・その担当者にしか分からない業務の有無の確認
をした上で申請を検討することが重要と考えております。
今後は中小企業、とりわけ地方企業は人手不足がますます深刻化することが予想されます。
かといって経理事務は秘匿性の高い業務であるため誰にでも任せられる業務ではありません。
そして人間だれしも、体調を崩しますし異動もつきものです。
したがって、中小企業だからこそ特に合理化していくことが必要ですが、
とりわけ、
・経理ご担当者の処理量が多くなっている
・今は部門別管理をしていない
・従業員数が10名以下
の場合であれば、特に活用しやすい補助金ではないかと感じていますのでご検討ください。
当社でも徐々にではありますが実績とノウハウがたまってきました。
上記のすべてに当てはまらなくても申請は可能ですし、従業員数3名の会社さまでも合理化できた実績もございます。
要時間が合理化されて経理(会社の基礎)が安定し、他の業務に充てることが出来るならば大いに有用だと考えております。
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